昨秋王者の北海が61年ぶりV2に王手 〝救援エース〟浅水結翔が2戦連続好投【秋季全道大会】
■秋季全道高校野球第6日(10月23日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽準決勝 北海6-2駒大苫小牧
駒苫を振り切り史上初の2年連続同一カード決勝へ
北海が駒大苫小牧との接戦を終盤に振り切って、3年連続の決勝に駒を進めた。1点リードの八回1死満塁から3番・長南凛汰郎捕手(1年)が走者一掃の適時三塁打。投げては、二回途中から2試合連続の救援登板となった左腕・浅水結翔投手(2年)が7回⅔を1失点とロングリリーフで好投した。秋の決勝では史上初となる東海大札幌高との2年連続同カード。北海としては5連覇した63年以来の2連覇を狙う。
二回のピンチを併殺シャットアウト
夏のエースが、この秋の全道では〝救援エース〟としてマウンドに君臨した。1点ビハインドの二回1死二塁、追加点を許したくない場面で登板した浅水は、最初の打者の投前ゴロを捕球すると、すぐさま三塁へ転送。二、三塁間の挟殺プレーで2つ目のアウトを奪い、さらに二塁へ向かっていた打者走者もベース前でタッチアウトと、見事な併殺を完成させた。
失点は八回の1点のみ。試合後に浅水は「左バッターの外への真っすぐが決まっていた。それがあって、スライダーで三振が取れたり、カーブで打たせるピッチングができた」と胸を張った。
大量点の口火を切る打撃の活躍も
さらに打撃でも活躍。1点リードの八回は先頭で左前打を放って出塁し、直後の大量点奪取へとつなげた。「あそこは先頭だったんで何が何でも塁に出て。あと1点取ったチームに勝ちが傾くと思ったので、何が何でも出てやろうと思いました」と自らのバットで援護射撃した。投打の活躍に平川敦監督(53)は「きょうも浅水が途中からずっと最後まで投げてくれて、本当に良かった」と最大級の賛辞を送った。
春に投球フォーム変更 新球種も会得 プレートの踏む位置は…
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球速は130キロに満たなくても、巧みな投球術で強力打線を封じた。今春のセンバツ甲子園前には上手投げから、腕の位置を下げた。同時に、これまではマウンドのプレートを踏む位置を打者によって変えていたが、三塁側へと固定。「一塁側から踏んで投げたら、抜けてボールになることが多くて。三塁側だと抜けてもストライクになる」と手応えを掴んだ。さらにスライダーは、直球との球速差が近かったことから緩急差を広げるためにカーブのような緩い球種を会得。投球の幅がグッと広がった。
同学年の松田と切磋琢磨
全ては身近にいるライバルの存在が大きい。昨秋はベンチ入りも、同級生の松田収司投手(2年)がエース格の活躍。「去年の秋は、松田に良いピッチングされて悔しいと思っていた。冬も絶対に負けたくないっていう気持ちでやってきた。切磋琢磨したり、練習ではライバル心を持ってやっています」。自らを高めるための大きなモチベーションとなっている。
平川監督「総力戦」
北海は1959年から63年まで秋の全道大会を5連覇したことがある。東海大札幌高と2年連続の決勝へ、平川監督は「全員野球、総力戦で。投げられるピッチャーは投げさせようと思っていますし、投げてもらわないと困る」と引き締めた。
浅水「自分がやってやる」
この試合で106球を投げた浅水も「去年(の決勝)は頑張ってくれって感じで見てたけど、今年はもう自分がやってやるっていう気持ち。あとは優勝したいです。神宮とセンバツに行きたい」。見据えるのは頂点だけだ。