ドラフト1位の柴田獅子 北の大地に再び二刀流旋風「大谷選手のいた球団。うれしい」
曇りのち晴れ 新庄監督が引き当てた!
プロ野球のドラフト会議が24日、都内で開かれ、日本ハムは福岡大大濠高の柴田獅子投手(18)を1位指名し、競合したソフトバンクとの抽選で交渉権を獲得した。
1度目の入札で明大の宗山塁内野手(21)を抽選の末に外し、2度目に新庄剛志監督(52)が交渉権を引き当てた。
和らいだ表情 「とても光栄に思います」
無限大の可能性を秘めた18歳が、北の大地で才能を開花させる。2球団から名前が呼ばれると、硬かった表情が少しだけ和らいだ。
新庄監督がガッツポーズする姿を、スクリーン越しに確認した柴田は「驚きと、少しワクワクする気持ちでした。憧れのプロ野球界に自分が1位指名されて、とても光栄に思います」と、あどけなさの残る愛らしい笑みを浮かべた。
プロでも二刀流を継続
187センチの長身から繰り出される直球は、最速149キロを誇る。打撃でも高校通算19本塁打と高い能力を発揮。低反発バットが導入された今春以降に9本塁打を量産するなど、急激なスピードで成長を遂げている。
プロ入り後も投打二刀流を継続し、大旋風を巻き起こすつもりだ。
大谷翔平に続け! 声高に意気込み
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「大谷選手のいた球団に入れて、うれしく思います。自分も二刀流の意思を強く持っているし、期待に応えられるよう頑張ります。投手としてはストレートの伸びと変化球のキレ。打撃は柔らかさと飛距離に自信があります」
読みあさった〝大谷本〟からも刺激
メジャーリーグ・ドジャースで大活躍する球団OBの大谷翔平は、憧れであり目標とする存在だ。昨秋の県大会敗退後には、関連書籍を熟読しモチベーションアップ。「名言もありました。いろいろなことに挑戦して、不可能を可能にするっていうのが心に響きました」と数々の言葉を胸に刻んだ。
意識改革に肉体強化 一気に球速アップ
プロ入りを目指した冬の期間は「基礎、基本を」と体づくりを中心に、自らと向き合い続けた。
「目標をかなえるために覚悟を決めて、本気の本気で練習をしないといけなかった。今までやってきた練習方法だと、結果を出せなかったと思う。そこが一番、変わりました」。意識改革の成果もあり、昨秋まで138キロだった球速は一冬で飛躍的に向上した。
オリックスの剛腕を育てた名将も認める才能
オリックス・山下舜平大を育てた名将の下で、豊かな才能は磨かれた。同校の八木監督は「初めて見た時に、すごく良いストレートを投げていました。そのストレートにほれて、伸ばしてあげたいな、と。エンジンをフルに使わないよう、常に余力を持たせて、詰め込まないことを心がけました」と育成方針について説明した。
投打ともに伸びしろ十分
柴田は現在、球速や曲がり幅の異なる3~4種類のスライダーを自在に操る。フォークやチェンジアップなど、奥行きや高低差を利用する球種を封印したのは、スケールの大きな投手に育てようとする恩師の親心だった。
八木監督は「指先の感覚は非常にいいものがあって、変化球はこれからすごく伸びる要素です。打撃はフルスイングした時に飛ばすのではなく、脱力しながら(ミート)ポイントで力を発揮できる柔らかさがある。プロでも(投打)2つにチャレンジできるなら、大谷選手のように育ってほしい」と願いを込めた。
プロの舞台でも獅子奮迅だ!
柴田の名前は、西鉄ライオンズファンだった祖父が命名。好きな言葉には「自分の名前が付いてるから」と、獅子奮迅の四字熟語を挙げる。
「投打ともに山下選手や、いろいろな人と対戦したい。1軍で活躍することが今の目標です」。2本の牙をじっくり研ぎ、球界を席巻する。