北照高の149キロ左腕・高橋幸佑が中日5位指名 OB斎藤綱記との〝北照リレー〟実現だ
■プロ野球ドラフト会議(10月24日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミール)
この春は侍U18候補合宿に参加
プロ野球ドラフト会議が24日、東京都内で行われ、今春の侍ジャパンU18代表候補合宿に参加した北照高の最速149キロ左腕・高橋幸佑投手(3年)が、中日から5位指名を受けた。同校からは13人目の指名で、2017年1月に就任した上林弘樹監督(45)にとっては初のドラフト指名選手の輩出。高橋は同校OBである中日・齋藤綱記投手(27)との〝北照リレー〟実現を目指していく。
先発ローテを目指して一日を大切に
ドラフト会議開始から1時間以上が経過。両親と姉も一緒に会場で見守る中、高橋は中日から5位指名を受けて上林監督と握手。ようやく表情が和らいだ。「今までやってきた自分のことを信じて待っていた。先輩の斎藤綱記さんがいらっしゃるので、お会いするのがすごく楽しみ。北照高校リレーでいつかやっていけたら。焦らず、一日一日を大切に取り組んで、1軍の先発ローテーションに入れるようなピッチャーになりたい」と声を弾ませた。
斎藤のグラブを受け継ぎ練習で使用 プロでは弟子入り志願
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何かの縁で結ばれていたかのようだ。昨オフ、上林監督から斎藤が使っていたグラブを手渡され、練習用として大切に使っていた。「自分もプロ野球選手になって、こういう先輩になりたいなって思いました。投げる位置や、リリースポイントは違うんですけど、斎藤綱記さんも高校からプロに入って、すごく体がでかくなったイメージがある。食事の面だったり聞いてみたい」。10学年先輩に弟子入りを志願した。
本拠地のある愛知とも縁が
本拠地がある愛知とも縁がある。昨年、同校OBが在籍する社会人野球のトヨタ自動車(豊田市)の練習に参加したことがあったが、指名会見では訪れたことがあるかとの質問に緊張からか「一回もないです」と即答してしまった。隣に座っていた上林監督からは「ウソつけ」とツッコまれ、それまで緊張感のあった会場を和ませた。
高校で急成長し球速30キロアップ
札幌生まれ横浜育ちだが、北の大地で急成長した。高校入学当初は最速120キロ程度だったが、2年半で球速は約30キロアップした。最初は軟式から硬式への対応に苦しみ、練習についていくのもやっと。体重が20キロ近く落ちたこともあった。「辛かったことだったり、苦しかったことだったりもあったけど、それを乗り越えて仲間たちと甲子園を目指してやってきて、その結果、濃い3年間を歩めた」。
甲子園には届かなかったが、今夏の南北海道大会準決勝では日本ハムが本拠地とするエスコンフィールド北海道のマウンドで躍動。「あの舞台で投げられたことを生かして、思いっきり全力で向かって行きたい」。今度はプロとして戻って来ることを誓った。
上林監督「まだ発展途上。もっと伸びる」
上林監督としても初めての経験。「プロ野球の世界に高橋が進んでくれることが本当にうれしい気持ちと、本当にホッとした気持ちでいっぱい。きょうはスタートラインに立てただけなので、これからが勝負。(指名の)順位関係なく、これからプロの世界で活躍してほしい。まだ発展途上の選手なので、プロに行っても、もっと伸びるんじゃないかな」と期待を込めた。
長く活躍でき、愛される選手に
中日は来季から井上一樹新監督(53)が指揮する。「明るいカラーだと思っているので、すごく楽しみです」。長く活躍し、息の長い選手になるのが夢だ。「20年間、プロ野球界でやり続けて、引退する時にはセレモニーだったり、引退会見を開いていただけるような、愛された選手になることが目標」。将来の夢に向けて第一歩がスタートした。