栗山ＣＢＯから指名あいさつ

　プロ野球のドラフト会議で日本ハムから１位指名された福岡大大濠高の柴田獅子投手（１８）が２５日、同校で栗山英樹ＣＢＯ（チーフ、ベースボール、オフィサー、６３）から指名あいさつを受けた。

　二刀流での活躍が期待される大器は「プロ野球界を代表できるような存在、選手になりたいという思いが本当に強くなりました」と新たなステージでの活躍を誓った。

 

最大の賛辞　「うれしそうに野球をやっている」

　投げては最速１４９キロを誇り、打っても高校通算１９本塁打をマーク。しなやかな腕の振りから繰り出す快速球と、柔らかくもパワフルな打撃は、無限の可能性を感じさせる。

　指名から一夜明け、そのプレースタイルについて栗山ＣＢＯは「考える力、投げる力、打つ力があって、うれしそうに野球をやっている。これは僕の価値観ですけど、追い込まれたら追い込まれるほど楽しく野球をやることは、すごく重要なことだと思っている」と絶賛した。

 

大谷翔平と同様に先入観を排除

　先入観を捨て去り、豊かな才能を育て上げる。漫画の世界を、二刀流をも超越する活躍を期待する。

　栗山ＣＢＯは「（将来の）イメージを持ってはいけない。例えばずっとショートで出て、抑えをやりながら、大事な試合だけ先発するみたいな、ね。その選手の幅を広げることが僕の仕事。妄想を広げているところです」と独自の発想を交えて、スター候補の近未来を思い描いた。

 

〝栗山流３種の神器〟を持参

　〝手土産〟にも、熱いメッセージが込められていた。栗山ＣＢＯは、今回の指名あいさつに①木田ＧＭ代行が描いた似顔絵②ドラフト会議で身に着けたＩＤ③侍ジャパンの指揮を執り、世界一に輝いたＷＢＣの公式球という３点を持参した。

 

ＷＢＣ球に記された熱き思い

　ＷＢＣ公式球の前面には座右の銘である『夢は正夢』、後面には『柴田獅子様　誰も知らない新たな野球の一ページを作ろう！』と記されている。

　前後面の文字は、あえて天地をひっくり返して書かれており、その意味を栗山ＣＢＯは「ボールを上下に回転させないと読めない。それは野球の常識を覆す、ということです」と説いた。

 

目指すは新たな二刀流　「期待に応えたい」

　進むべきは、唯一無二の道。期待のドラ１右腕も、思いは一緒だ。

　「自分の存在をプロ野球界に示してほしいと本当に強く言われました。栗山さんは熱い方で、その期待に応えたい。投手としては勝利数を増やして、打者では本塁打で点を取ってチームに貢献できればと思っています」

　大谷の影を追う必要はない。柴田獅子の個性が、プロ野球を熱くする。