巨人ドラ4の北星大付高・石田充冴 スタルヒンのように〝雲のジュウザ〟のように「かっこ良く」
同校で指名あいさつ
今月24日のドラフト会議で巨人から4位指名された旭川市出身で北星大付高の長身右腕・石田充冴投手(じゅうざ、3年)が31日、同校で水野雄仁スカウト部長(59)らから指名あいさつを受けた。3年間通じて甲子園への出場はないが、今年の高校生ではナンバーワンの評価。同校出身としてはヤクルト・山本大貴投手(28)以来2人目の指名で、高校から直接は初。自身の名前の由来となった人気漫画「北斗の拳」の人気キャラクター「雲のジュウザ」のように、球界で名を挙げる。
日本を代表するような投手へ
192センチの身長同様、大物ぶりを証明した。指名あいさつを終え、「(スカウトから)4年後、5年後に出てくるピッチャーと言われ、自分もそれに向けてもう一度頑張ろうと。この192センチの体を全て使いこなせるようになっていきたい。早く1軍に出て投げれるようなピッチャーになって、最終的には日本を代表するようなピッチャーになりたい」と、すでに東京ドームで投げる自らの姿を思い描いている。
期待される〝巨人の星〟
巨人の期待の高さも垣間見えた。投手として指名された中では大学・社会人含めて最上位で、球団としても支配下での高校生投手の指名は3年ぶり。水野スカウト部長は「高校生のピッチャーの中で一番評価した。ここ1、2年、高校生のピッチャーも行ってなかったですから、それぐらい魅力があったということ。いい体をしてて、投げ方もいいので、伸びしろしかない」と絶賛した。
水野スカウト部長「全部が未知数。彼にあった育成プランを…」
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指名の順位も、「1位でいった柴田くん(福岡大大濠高)や今朝丸くん(報徳学園高)と、全国的に活躍した人たちは上になりましたけど、体や投げてるボールは負けてない。順位はこの順位になりましたけど、同じぐらい我々は評価している。今の17歳、18歳ぐらいのピッチャーとしてはすごく魅力的で、本当に3年後、4年後どうなるか見てみたいピッチャー。投げるスタミナ、走るスタミナ、もう全部が未知数なので、入っていろんな測定をして、彼にあった育成プランをつくっていく」と、本気度がにじみ出た。
幼い頃は旭川スタルヒン球場でも
道内の高校生が巨人から支配下指名されるのは、2005年の高校ドラフトで3位指名された加登脇卓真さん(37、北照高出)以来。旭川市出身の高校生が巨人から支配下指名されたのは初の快挙だったが、「(父から)旭川市から支配下選手が出るのがスタルヒンさん以来って聞いたので、本当かなと(笑)。ちっちゃい頃、スタルヒン球場でよく試合をやったので、少しでも近づきたい」。巨人の第一期黄金時代を支えた伝説の大投手の名前も飛びだした。
充冴の名前でサインを
ファンには「ジュウザって呼んでほしい」。名付け親は、同作品のファンだった父・威仁さん(50)。「すごいカッコ良いキャラなので、かっこ良くなりたい」。ドラフト後、クラスメートらから「サインちょうだい」と頼まれ「巨人軍 石田充冴」と何枚か書いた。しかし「そんな簡単なものだったら誰でもつくれるので、たくさん転売も出るかなと思う。今サインを考えてくれてる友達もいるので大変ありがたい。『充冴』っていう漢字の名前で崩してほしいというのは伝えました」と、友人からの力作を待ち望んでいるという。
父がいなければ今の自分はない
石田が幼い頃、アメリカ独立リーグやメジャー傘下の1Aでプレー経験のある父に連れられ、宮崎で行われていた巨人の春季キャンプに行ったことがある。「小さい頃から少年団の練習が終わったら父と夜にバットを振った。父がいなかったらここまで来られてないと思う。今は大変感謝しています」。旭川から一緒に札幌へ出てきて、北星大付高の寮監として3年間支えてくれた父への恩は、これからゆっくり時間をかけて返していく。