札幌光星が日本最北端の全面人工芝野球グラウンドをお披露目
総工費は約2億9000万円
今夏の南北海道大会4強の札幌光星は1日、創立90周年記念式典を開催し、記念事業として建設された全面人工芝の屋外グラウンドのお披露目した。日本最北端となる全面人工芝の球場で、総工費は約2億9000万円。外野はサッカー部と共有するが、右翼98メートル、中堅は120メートルあり、野球仕様となれば十分な広さでプレーができる。式典後、部員たちは軽めの練習を行い、その感触を確かめた。
イレギュラーなく捕球がしやすい
放浪生活もあと少し。7月中旬から始まった工事は予定より遅れ、まだ投球マウンドと各ベース付近には土が入れられていないが、約3カ月半ぶりに野球部員の元気な声がグラウンドにこだました。真新しい人工芝の上でキャッチボールやノックを受けた片倉諒真主将(2年)は「バウンドの変化がないので合わせやすい。ショートバウンドとか落ち際のバウンドに合わせやすい。内野手もイレギュラーがないし、下から出したらそのままグラブに入るのでエラーが少なくなる」と声を弾ませた。
四輪バギーは他校へ ナイター照明で完全下校の時間まで練習可能
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人工芝化によりグラウンド整備にかかる労力と時間が大幅に軽減された。内野の土を整備するための四輪バギーは不要になり、他校へプレゼント。ライン引きなど細々とした備品も不要になった。さらに白銀灯のナイター照明も全てLED化され、19時30分の完全下校ギリギリまで練習時間に充てられる。
工事中の練習は南大会期間中から江別市の北翔大などを借りてきた。「ずっとグラウンドを貸してもらってて、ずっとそこに通って練習時間が1時間ぐらいしか取れなかった。こうやって夜7時過ぎまで練習できるのは大きい」。冬も除雪すれば練習でき、これからは思う存分、自分たちのグラウンドで野球に打ち込める。
全道に勝ち進めば地の利生かせる
地の利もある。2022年から夏の甲子園に直結する南北海道大会の準決勝と決勝が北広島市のエスコンフィールド北海道で行われているが、来年度からは内野が現在の天然芝から人工芝に衣替えする予定。さらに昨秋から選抜甲子園につながる全道大会が全面人工芝の札幌・大和ハウスプレミストドームで行われている。
人工芝の球場では「自分たちの方が相手よりも慣れてるので有利だと思う」。だた、そこに勝ち上がるまでの戦いは従来通り内野が土の球場となり、打球速度もイレギュラーも人工芝とは大きく違ってくる。「そこは練習試合とかで相手のグラウンドに行った時にどう試合に挑めるかが、今後につながる」と、自分たちで工夫を重ねながら対策を練っていくつもりだ。
秋に優勝した東海にリベンジだ
掲げた目標は「打倒・東海大札幌」だ。秋の全道は2回戦で優勝した東海大札幌高に1-2と惜敗。五回まで1-0でリードしていたが、六回に先頭打者にストレートで四球を与えたところから、一気に逆転を許した。「東海に負けて、そのまま東海が優勝してしまった。そこは悔しいので、来年、東海と当たるような機会があったら絶対勝てるようにしていきたい」。与えてもらった新たな環境に結果で恩返しする。