山口アタル 支配下登録へオフは〝イチ流トレ〟に挑戦 ジムを紹介してくれたのはイチロー氏の教え子
■秋季キャンプ(11月1日、沖縄・かいぎんスタジアム国頭)
目指すはけがに強い最強ボディー
沖縄・国頭での秋季キャンプに参加している日本ハムの山口アタル外野手(25)がオフに初動負荷トレーニングを取り入れることを明かした。
プロ入りから2年間、左膝の手術を受けるなど度重なる故障に悩まされてきた。イチロー氏(51)も取り組んだ練習法に挑戦し、けがと無縁の最強ボディーをつくり上げる。
本領発揮したフェニックス・リーグ
雨天中止が多かった今年の宮崎フェニックス・リーグ。その中で存在感を放ったのが、育成2年目のシーズンを終えた背番号127だった。
8試合に出場し、打率.429(21打数9安打)、2本塁打、6打点。「今シーズン、体の状態がいろいろ悪い時もあったけど、やっと良くなった。バッティングも1年間、練習したことがシーズン終わって、やっとまとまってきた感じがあります。ようやくっす」。南国の地で汗を流す表情は明るい。
シーズン中は負傷に加えて焦りも 「気持ちの問題もあった」
昨年7月に左膝前十字靱帯(じんたい)の再々建手術を受け、今年5月に11カ月ぶりに実戦復帰。シーズン中は精神的に追い詰められ、焦って無理してしまうこともあった。
「練習とかで調子に乗り過ぎちゃう。他の人に比べたら、まだまだ練習する体力がないと思う。周りに負けないようにいっぱい練習しようとした。ちょっと焦りとか、気持ちの問題もあった」。左膝の状態も決して万全とはいえなかった。
体のケアを優先させてパフォーマンス向上
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フェニックス・リーグ期間中は「第一の目標はけがしないことだった。もう外れないように体のケアが優先で」
練習量をセーブすると、日々のパフォーマンスが向上した。「膝はどうせ今後も良くなったり、ひどくなったりする。どの状態でもいいパフォーマンスを出せるようになりたい」と冷静に考えられるようになった。
イチロー氏に指導を受けた細川が紹介
このオフは、もともと興味を持っていた初動負荷トレで、故障しにくいしなやかな体づくりに取り組む。イチロー氏に直接指導を受けたこともあるチームメートの細川の紹介で、鳥取のトレーニング施設「ワールドウイング」を初めて訪れることになった。
「実は細川と鳥取の初動負荷に行く。最強の、けがしない体をつくろうと思う。自分は硬さがあるので、柔らかいなめらかな動きをできるように。体に負荷がかからないよう、そこで学びたい。もともとイチローさんがやっていて有名で、行こうかなと思った。ちょうど細川が毎年、行っていて、細川の紹介で行けるようになりました」
柔軟な姿勢で何事にも挑戦
練習熱心で知られる3学年下の内野手は、山口にとってお手本だ。
「やっぱ細川はずっと(試合に)出て、けがしない選手だし、ずっと練習してもけがしない。めちゃくちゃそういう意味でもすごい選手だと思う。周りの人のいいところ、強い点を見て、自分も学びたいと思う」
勝負の3年目へ 圧倒的なフィジカルを生かす!
カナダ出身で〝フィジカルモンスター〟の異名を持つ。プロ3年目を迎える来季に向けて「支配下を目指さないと。やっぱ、けがしないのが一番だと思います。2年合わせて、1年分の打席しか立っていないのでめっちゃ悔しい」
この思い糧に、強靱(きょうじん)な体をつくりあげる。