コンサドーレ
《こぼれ球》レジェンドGKの背中
9月25日、J2水戸のGK本間幸司(47)が今季限りで現役を引退することを発表した。高卒で1996年に浦和へ加入。99年途中に当時JFLだった水戸へ移籍すると、チームが戦いの舞台をJ2に移した翌2000年以降も一貫して水戸の選手としてプレー。29年間という長きに渡ってプロの世界で戦い続けてきた。
J2通算577試合出場(11月4日現在)は堂々の歴代第1位。札幌戦でも、初対決となった今から24年前の00年4月30日のJ2リーグ戦を皮切りに、公式戦31試合に出場。札幌が3度目のJ1昇格を決めた07年12月1日のホーム戦でも先発フル出場しており、長くチームを応援してきた札幌サポーターにとってはおなじみとも言える選手だろう。
そんな本間と、チームメートとして共に戦った選手が札幌にもいる。大阪体育大から2019年に水戸へと加入したMF浅野雄也(27)だ。「俺、クラブハウスに行って、一番初めにしゃべったのが幸司さんなんですよね」と、初対面の瞬間を振り返る。「幸司さんは風呂場におったんですけど、誰よりも早く来て準備して、すごくストイックにやっていた。そのときはもう40(歳)過ぎていたと思うんですけど、そんな年とは思えないぐらい、本当にすごい動きをしていました」。このとき浅野は22歳、そして本間は42歳と、親子ほどの年齢差がある選手から受けた刺激を糧にして、浅野はプロの世界での戦いをスタートさせた。
残念ながら公式戦のピッチに一緒に立つ機会こそなかったものの、「一緒に戦えたことを誇りに思いますし、ちょっと寂しいです」と、本間への思いを口にした浅野。去りゆくレジェンドへの思いを胸に、今季ラスト3試合を戦い抜いていく。