高校野球
2024/11/02 05:00

旭川実業152キロの豪腕・田中稜真が仙台大に合格 悩み抜いた末にプロ志望届を提出しなかったわけ

監督室にある兄・田中楓のユニホームをバックに4年後のドラ1指名を誓った旭川実業・田中稜=撮影・西川薫

兄はロッテの田中楓基

 今夏の北北海道大会4強の旭川実業の152キロ右腕・田中稜真投手(3年)が1日、仙台大の体育学部体育学科にスポーツ推薦で合格した。兄は21年ドラフトでロッテから育成1位指名を受けた田中楓基投手(21)。今年のドラフトではNPB12球団が注目していた豪腕が、プロ志望届を提出せずに大学進学に心が傾いた理由とは―。

21年11月、ロッテと仮契約を交わした兄の田中楓

 

球界を背負える投手が将来の目標

 生まれ故郷の石巻市と同じ宮城県にある仙台大から4年後の1位指名を目指す。「チームの雰囲気がもちろんいいですし、本当に実績もすごいあるチームなので、仙台大学さんに選ばさせていただきました。目標はドラフト1位で(プロに)入って、1年目から開幕中継ぎだったり、すぐにでもローテーションに入って、何年もプレーをした中で、将来は球界を背負っていけるような、大事な場面で任されるようなピッチャーになりたい」。その選択に、今は一切の悔いはない。

ドラフト当日はテレビでチェック

 10月24日のドラフト会議は、人生初のアルバイトから帰宅し、テレビでチェックした。「(北照の)高橋幸佑選手は連絡を取ったりもしてたので、すごい楽しみにしていた。ドラ1で期待されていた今朝丸投手とか、高校ナンバーワンって言われていた選手がどこに入るのかな」と、同世代の注目選手の動向は当然、気になっていた。

今年7月22日の北北海道大会準決勝、クラーク戦で先発した旭川実業の・田中稜

 

プロに入るために努力してきたわけじゃない

 春まではプロ1本だった。北北海道大会で負けた直後、周囲には進学とプロ入りへの気持ちは「半々」と話していたが、「その時も実際はプロだった」と、その意思は固かった。もしプロ志望届けを提出していれば、今回のドラフトで名前を呼ばれる可能性は決して低くはなかったが、9月末になり、最終的には大学進学を選択した。

 「ある程度の自分の力がついてきた中で、(プロに)入るために今まで頑張ってきたんじゃなくて、活躍するために頑張ってきたって考えたら、そこが本当にゴールじゃない」。圧倒的な力をつけ、堂々とプロ入りすることを選んだ。

自分の武器とは何か 兄からの問いかけに…

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