創部2年目の日本航空北海道が初V 女子5連覇中の札幌山の手を100点ゲームで撃破【ウインターカップ北海道予選】
■全国高校バスケットボール選手権北海道予選最終日(11月3日、リクルートスタッフィング リック&スー旭川体育館)
▽女子決勝リーグ 日本航空北海道100-75札幌山の手
西川主将がチーム最多28得点
決勝リーグ男女各4試合が行われ、女子は創部2年目の日本航空北海道が3戦全勝の初優勝で2年連続の本大会出場権をつかんだ。6連覇を狙っていた札幌山の手との全勝同士の最終戦では、マリからの留学生で186センチのCカマラ(2年)が徹底マークされる中、PG西川葵主将(2年)が3点シュート4本を含むチーム最多の28得点をマーク。100点ゲームで締めくくり、新人戦、全道高校、U18日清食品北海道ブロックリーグと、道内主要4大会全てを制した。
40分間ディフェンスできた
北海道の女王に君臨し続けていた強豪を、創部2年目の2年生軍団が圧倒した。西川主将は「山の手は、すごい走ってくるチームということも分かってたし、自分たちよりも平均身長としては向こうの方がたぶん高かった。そこでディフェンスをどう頑張るか。インターハイで負けてしまってからのコンセプトがフルコートで40分間ディフェンスを仕掛けることだったので、40分間、前から当たり続けることができたっていうのが良かったかな」と声を弾ませた。
夏の悔しさ糧に
インターハイでは、初戦の2回戦で鵠沼(神奈川)に69-71と惜敗。「あの試合は40分間、相手のペースにしてしまったことと、自分たちのプレーが最後まで出しきれなかったのが、特に反省点だった」と悔しさを糧にしてきた。
地獄のランメニュー
目標に掲げる40分間走り続けるためには、無尽蔵のスタミナが必要不可欠。帰道後から地獄のランメニューが始まった。体育館を延々走り続けることに始まり、サイドラインを8往復半する「セブンティーン」や、ゴール下で3人の1対1対1でリバウンドを取ってシュートを繰り返す「ジャングル」、さらにコンタクトプレーの強化に取り組んだ。「夏の前も少しはやっていたんですけど、夏が終わってから特に徹底的にやるようになりました」。ディフェンスの練習をすることで、攻撃面でも強化につながった。
長身コンビがマークされるも「逆にこっちがチャンス」
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それを証明したのが、札幌山の手戦。得点源はCカマラとU17日本代表ではセンターを務める180センチのPF庵原有紗(2年)の長身コンビ。だが2人のみが頼りでは限界がある。今大会では、残りの主力3人の底上げがチームとしての成長につながった。
決勝リーグ1戦目は長身コンビで62得点、2戦目は59得点だったが、札幌山の手戦では42得点に抑え込まれた。「あの2人は徹底的にマークされることは分かっていたし、今までの4試合は2人が勝負できてたけど、山の手は対策をしてきてて、逆サイドからのダブルチーム、3人行ってることもあった。逆にこっちがチャンスなので、3ポイントを積極的に狙ったりドライブで攻めた」。西川主将の28得点を始め、他のスタメン3人がそれぞれ3試合を通じて、最多得点をマークした。
男子代表の映画でモチベアップ
大会の1週間前には男子日本代表の2023年W杯ドキュメント映画「BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち」を寮で見てモチベーションを高めた。「選手たちの自分たちを信じる力とどんなチームにも諦めない姿にみんな心を打たれた。自分たちにも真似できる部分があった。日本代表って(その時に)集まったチームなのに、それでもあれだけコミュニケーションを取れたりするのはすごい参考になると。ミーティングも直前まで多めにやった。アップの時にも、よくみんな『ビリーブ、ビリーブ』って言ってました(笑)」。今大会は手の甲にマジックで「BELIEVE」と書き込んでプレーした。
全国ではベスト8以上を狙う
オール1年生で初出場した昨年のウインターカップは、下妻第一(茨城)に69-73で惜敗。「まずは確実に初戦突破することとベスト8以上を狙いたい。最初のインターハイ(2023年)がベスト16で終わったので、それ以上はまずは越えたい」。1年を経て力強さを増した日本航空北海道が、冬の全国初勝利へ〝テイクオフ〟する。
■6連覇を阻止された札幌山の手PG高橋優希主将(2年)
「対策してきたつもりだったけど、やってきた通りにいかなかった。自分たちのやりたいことはあんまできなかった試合。全国大会に行ったら日本航空さんみたいに留学生がいるチームも出てくると思うので、しっかり今の反省生かしてもうちょっと成長した姿でできれば」