《皇后杯ファイナルラウンド》女子バレーアルテミスV1強豪に胸借りる
昨年末に発足した女子バレーボールのアルテミス北海道が、あす10日に群馬・高崎アリーナで開幕する皇后杯全日本選手権ファイナルラウンドに出場する。1回戦の対戦相手はV1の埼玉上尾。23年度のVリーグ入りを目指すアルテミスにとっては願ってもない一戦だ。V1チームを相手に今持てる力をすべて出し切る。
元日本代表の成田郁久美監督(45)率いるアルテミスが、いよいよ全国初陣を迎える。「もちろん、勝ちにいくつもりですけど、現時点で力の差はある。V1の高さだったり、パワーだったりを体感することが良い経験になる」。今の立ち位置を確認する絶好の機会と捉える。
埼玉上尾は、ブラジルやフィリピン国籍の選手が主力で、現在V1で6位につける強豪。指揮官は「うちの選手にとって経験のなかったブロックの高さだと思う。対戦が決まってから男子のクラブチーム選手にも手伝ってもらった。速いスパイクやサーブに慣らす練習をしてきた」。十分に対策を練ってきた。
バックアタックも打てるレフトの小室祐里(25)が得点源だ。小室は「真ん中を攻めると、ブロックに引っかかる。ライン際を狙ったり、背が低くてもできる嫌らしいプレーを心掛け、1点を取りにいきたい」と貪欲に勝利を目指す。
メンバーは大学生から30代のベテランまでと幅広い。松田莉子主将(28)は「年齢差は感じない。上の人も下の子たちもサポートしてくれるので助けられてます」。仕事を持つ選手もいる。週4度の練習で、全員が揃うのは2日間ほど。それでも結束は固い。
仕切り直しの大舞台でもある。7月の国体道予選を制したが、全国大会は中止となった。松田主将は「やっとつかんだ全国だったのに悔しかった。私たちは挑戦していかなければいけないチーム。格上と当たるのは貴重な経験。すごい楽しみ」。相手にとって不足はない。狙うは大金星だ。