田中正義 引退のソフトバンク・和田からの教えを胸にタフネスな投手へ
■秋季キャンプ(11月6日、エスコンフィールド北海道)
最後の松坂世代 ソフトバンクで共にプレー
〝師匠〟のように強い投手へ―。エスコンフィールド北海道での秋季キャンプに参加している日本ハムの田中正義投手(30)が6日、引退を発表したソフトバンクの和田毅投手(43)への思いを語った。
ソフトバンク時代にルーキーイヤーの2017年から気にかけてくれた先輩であり、その年のオフには自主トレも共にした。和田先輩から授かった数え切れないほどの教えを胸に、心身共にタフな投手を目指す。
球界を代表する左腕に感謝しきり
ニュースの一報で和田の引退を知った。現在の礎を築いてくれた一人だった。6年間、同じチームで過ごした田中正は「僕の今の野球選手としての核というか、考え方もそうですし、基礎みたいなものをつくっていただいた方です」と感謝を口にした。
まさに生きる教科書
投球における体の使い方から、練習に取り組む姿勢など吸収してきたことは計り知れない。
「できるようになるまでやる執念みたいなものは、僕が出会ってきた中では和田さん以上の方を見たことない。一生、追い付くことはできないですけど、和田さんみたいな姿勢っていうのは、野球が終わるまで追い求めなきゃいけない」と力を込めた。
妥協しない姿勢 目に焼き付いているシーン
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
忘れられない光景がある。田中正にとってソフトバンクでのラストシーズンとなった22年。先発した和田の投球が芳しいものではなかった日のことだ。先発当日にも関わらず、投球に納得のいかなかった和田は試合後、黙々とネットスローを行っていた。
「40歳を超えてあれだけ実績を残されてるのに、本当に誰よりも遅くまで残って練習してる姿っていうのは目に焼き付いてます。僕が野球を終えるまで目指さなきゃいけない姿勢みたいなのは、やっぱそういうところかなと思います。それを見た時に…。あんまり言葉にならなかったです」
来季の目標は1軍でのシーズン完走
いくつになっても野球を突き詰めていく姿勢は、プロ野球選手としての手本となる。田中正も日本ハム加入後、2年連続20セーブを記録するなど、主に守護神として活躍。ただ、今季は2軍に降格した時期もあり、満足できるものではなかった。来季は1年通じてチームに貢献することを目標に掲げる。
大先輩への誓い 「チームに貢献し続ける」
「1年間フルで投げ続けたい。おのずと60試合前後(の登板数)になってくると思うので。タフで居続ける。どんな状況だろうが、どんな場面だろうが、チームに貢献し続ける。けがをしないで試合に投げ続けるタフネスさっていうのを一つのテーマにやりたい」
偉大な背中を追い続けて、誰にも負けない強い投手となる。