10年ぶり明治神宮大会出場の東海大札幌高 代打の切り札は初代〝ヒグマ〟ジュニア
1回戦で大垣日大と対戦
10年ぶりに秋季全道高校野球大会を制して来春のセンバツ甲子園出場を確実にしている東海大札幌高は、11月20日に開幕する明治神宮野球大会1回戦で大垣日大と対戦する。この秋から指揮を執る遠藤愛義監督(40)が「代打の切り札」に指名した佐藤聡央也(そおや)内野手(2年)の父は、1983年センバツ甲子園に初出場で8強、夏も甲子園に出場した駒大岩見沢の「5番捕手」の一也さん(59)。幼稚園のころから仕込まれたヒグマ打線のDNAを武器に、全国デビューへ打棒を磨いている。
明治神宮大会は総力戦だ。全道大会では〝切り札〟のまま温存。背番号は5から14に降格したが、佐藤は「全道優勝は一つの目標ではあったんですけど、一番の目標はやっぱり日本一。うれしい気持ちもありますが、それ以上に次へのスタートって気持ちが一番大きい。ここぞという時に絶対決める、という気持ちが一番強い自信はあります」。大舞台での活躍を誓った。
指揮官いわく「流れを変えられる、すごい努力家」
秋は札幌支部準決勝の札幌第一戦で、0-2の六回の先頭打者に代打で公式戦初出場。四球で出塁し、逆転勝ちへの足がかりを作るなど、支部2試合で3打数1安打をマーク。遠藤監督は「流れを変えられる、すごい努力家です。正直野球はそこまでうまくなかったけど、チーム一練習してるんじゃないですかね。朝から夜まで。今、寮長という立ち位置でやってもらっているが、彼が出てくれば子供たちも期待できる。結果が出てほしいってみんなが思えるような選手なんで、神宮ではちょっと早めに」と、チャンスでの起用を示唆した。
野球に厳しい父の下で育った。三つ上の兄がいたこともあって、幼稚園からバットを振った。外が雪で閉ざされる冬は自宅のカーテンを閉めて真っ暗闇の中、投手のリリースポイントに見立てたライト一点に集中して素振り。「勝負する以上は死んでも負けないっていうか、常に野球は生きるか死ぬかの勝負っていうのを幼稚園のころから教えてもらった。一番超えないといけない存在であり、一番尊敬している存在」。寮暮らしの今も、続けている。