ファイターズ
《ハム番24時》11月10日
今季、早大出身の投手に強く〝早稲田キラー〟と呼ばれたのが、慶大出身の郡司だった。振り返ってみると、それを象徴する試合がある。2023年7月4日のソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)。中日からトレードで日本ハムに移籍してきて4試合目の出場だったが、和田からプロ初本塁打を放っていた。
大きな一歩を踏み出したメモリアルなアーチ。その相手だった大投手は先日、引退を表明した。どんな心境なのか、郡司に聞くと「まず、プロ1号を打った投手というよりは、小っちゃい頃から見ていたスーパースターなので。対戦できていることが最初は不思議でしたし、かつホームランも打てたので、僕が死ぬまで、一生の思い出になると思います」と誇らしげに答えた。
結果的に、和田から本塁打をマークしたことで、早稲田キラーの印象がより濃くなった。本人はその呼び名に恐縮しつつ「たかだか1本打っただけで、そんな大きい声で言えないです。たぶん、和田さんも覚えていないでしょうし…。でも、ありがたいことです」と表情を緩めた。
ライバル球団の先輩だが、リスペクトしている。「(シーズン中に引退試合やセレモニーを)大々的にやらせない、というのも和田さんの考えだと思いますし、格好いいですよね。すてきだと思います」。球界を代表する左腕の生きざまは、多くの選手に影響を与えていた。