遠軽が2年連続初戦突破 野球で全国大会出場の大型MB三品がバレーに転向したワケ【春高バレー北海道予選】
■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦第1日(11月11日、札幌・北海きたえーる)
▽男子1回戦 遠軽2-0下川商業・士別翔雲連合
男子は10年連続出場の遠軽がストレート勝ちで2年連続初戦を突破した。遠軽中まで軟式野球に打ち込んでいた、大会最長身192センチのMB三品乃亜(3年)と、185センチのOH安藤叶人(3年)のツインタワーが合計20得点をマークして勝利に貢献。同時に隣のコートで行われた女子の遠軽も1回戦を突破。15年ぶりに男女同時に白星発進した。
15年ぶりに男女揃って白星発進
第2セット24-22でマッチポイントを迎えると、最後は三品がセンターでシャットアウト。「ちょっと緊張していた部分もあって、うまくいかなかったことが結構あったが、周りの良いプレーに引っ張られる形で、最終的には良いプレーができたのかな」。コート狭しと飛行機ポーズを繰り出し喜びを表した。
今夏のインターハイ予選は紋別支部で決勝リーグに残れず敗退。例年、3年生は夏で引退するケースが多いが、今年は三品ら5人が残った。チーム最多の12点をたたき出したエースの安藤は「自分が1年生の時から、春高では思うような成績を残せず、3年目でその鬱憤を晴らそうと思って。自分の代で出られないっていうのが一番悔しかったので」と、5人の3年生がチームに残った。
昨夏の高校長身者発掘育成合宿「何もできなかった」
三品は昨夏、2年生以下が対象の全国高校選抜候補1次合宿高校長身者発掘育成合宿に選出。「周りが強豪校の人たちばかりだったので、やっぱり緊張したし、自分もそんなにうまくなかったので、何もできなかった」。当時の最高到達点は3メートル19センチ。「今は多分もうちょいあると思う。ブロックで相手の攻撃をシャットしたり、相手のスパイクをワン(タッ)チ取ったりして、自分たちの攻撃につなげることが強み」。競技歴は2年半、まだまだ発展途上だ。
バレーの面白さに気付かせてくれたものは…
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遠軽中までは軟式野球部。3年時は182センチの大型二塁手。投手も兼ねたが「球は遅くて100キロは出てないぐらい」。1年時には、ベンチ入りし全国大会に出場を決めたが、大会はコロナ禍で無念の中止。同中2年時、高校バレーが舞台の人気漫画「ハリガネサービス」と出会い「それがきっかけで、バレーは面白いなと」と興味を持った。中学の顧問から「いったん野球部に入って、合わなかったら辞めれば」と助言されたが、心はバレーボール部一択だった。「野球のスローイングと、バレーのスパイク、結構似ているので、そこはいいところ。いまは野球に未練はない」。目指す聖地は、甲子園から東京体育館に変わった。
今夏の王者相手に「全力で悔いのないプレーを」
2回戦の相手は今夏の王者・札幌大谷。エース安藤は「札幌で強豪チーム、というだけで弱気になるのは違うと自分は思っている。強い相手だからこそ、思いっきりぶつかれるんじゃないか。全力で悔いのないプレーをしたい」。三品も「自分たちのバレーをしっかりやって、全力で楽しむことを目標にして戦っていきたい」。真正面からぶつかり、強豪の壁を乗り越える。
■6年ぶりに初戦を突破した女子・遠軽のOH白尾浬菜(3年)
「1年生の時から3回出てるんですけど、今回初めて勝てたのですごく嬉しいです。結果だけを見すぎず、目の前の1点を全員で取りに行こう、という意識で頑張りました。粘り強く、レシーブで何回も何回も拾って、最後に自分たちで決められるような粘り強いバレーがモットーです。明日も自分たちのベースは絶対崩さなず、目の前の1点にしっかり気持ちを持っていって、全員バレーで頑張りたい」