《平川弘のCool Eye》諦めたら何も起こらない
勝てるチャンスあった湘南戦
11月9日に行われた敵地での湘南戦には、たくさんの札幌サポーターが駆け付けて後押しをしてくれたのだが、1-1のドロー。終盤に勝ち越せるチャンスがあっただけに悔しい勝ち点1となった。J1残留圏の17位・柏も逃げ切れずに16位・新潟に追いつかれて引き分けとなっただけに、MF浅野のロングシュートが決まっていれば状況は全然違っていたのだが…。
前半を凌ぎ、後半は押し込んだ
雪で満足なトレーニングができなかったこともあり、前半は湘南の勢いを凌ぐ戦いとなった。FW鈴木章斗を捕まえられず、裏のスペースへ抜けられ、起点をつくられた。FW福田やウイングバック(WB)のDF畑もそこに絡んで前進してくる攻撃は厄介だった。
プレスがはまらず、スペースを与えてしまったのが要因だが、前半は何とか失点しないで耐えられた。後半5分に失点したが、後半は札幌がゲームをコントロールして押し込んだ。3バックのチーム同士の対戦では、WBの優劣がゲームに影響を及ぼすことが多い。
注目の対戦は近藤に分があった 金健熙もあれくらいできるなら…
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このゲームでの注目はMF近藤と畑のマッチアップであった。前半は畑が一回、決定機をつくったが、後半は近藤が畑をドリブル突破でぶっちぎり、MF駒井の同点ゴールをアシストした。ゲームを通しては、近藤に一日之長があったと思うが、それが勝ち点3に反映されなくて残念である。
久しぶりに出てきたFW金健熙だが、コンディションが良く、前線で起点となり、良いプレーをしていた。あのくらいできるなら、もう少し早く投入しても良かったと思う。
重圧はあったのだろうが普通なら
そして冒頭にも述べた浅野の終了間際の決定機だが、決めてほしかった。カバーリングに出てきたGK上福元のつなぎのミスをダイレクトで狙ったが、そんなに難しいものではなかったと思う。ゴールカバーに何人か戻っていたので、それが目に入り、巻き過ぎてしまった。プレッシャーがあったのだろうが、普通なら3回蹴れば2回は入るようなキックだったと思う。ペトロヴィッチ監督がこけたのもよく分かる。
あと2試合、気持ち切らさないで
あれが入らなかったのだから仕方ないと思った。これであと2連勝して柏と勝ち点40で並んだとしても、現状では得失点差が9点劣る。磐田があと残り3試合で勝ち点5以内という縛りもある。札幌が残留できる可能性は極めて低いが、諦めたら何も起こらない。最後まで戦うサポーターのためにも、あと2試合、気持ちを切らさないでほしい。