女子は帯広南商業が4年ぶり全国に王手 連覇狙う旭川実業下しジャイキリ【春高バレー北海道予選】
■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦 第3日(11月13日、札幌・北海きたえーる)
▽女子準々決勝 帯広南商業2-1旭川実業
35年連続出場の帯広南商業が、2連覇を狙う旭川実業を2-1で撃破して、4年ぶりの本大会出場へ王手をかけた。1セット目を先取して、1-1で迎えた最終セットはデュースの末に接戦をもぎ取った。夏は全道1回戦で敗退。就任34年目の冨田誠治監督(63)が「歴代最弱」と評価するチームは、初出場の皇后杯で決勝ラウンドに進出。それをきっかけに徐々に自信をつかみ、高校最後の大会でジャイアントキリングをやってのけた。休養日を挟んだ22日の準決勝では、夏の全道4強の旭川志峯と対戦する。
1年生主将が決めてチームは歓喜の涙
第3セット25-24のマッチポイント。最後は1年生主将の矢萩梨花のスパイクが決まり、帯広南商の選手は歓喜の涙に包まれた。チーム最長身173センチのエース・OH山家(やんべ)すず(3年)は「もう後がない、これがラストチャンスだと思って、全員で一球一球全部打ち切った。先生から普段通りの自分たちじゃ勝てないと言われていたので、普段以上の自分たちを発揮できてよかった」と言葉を詰まらせた。
旭川実業とは3年間で公式戦初対戦。昨年は全国4強に進出。今夏も全道準優勝の強豪だ。「とてもブロックが高いチームなので、自分たちのミスで相手に流れをやらないことと、レシーブで食らいつき、つなげるようにすることが対策でした」。第1セット序盤から先行すると、デュースの末に先取した。
指揮官も自賛〝肉を切らせて骨を断つ〟戦法
第2セット、14度の全国大会出場に導いた名伯楽の勝負勘が冴えわたった。序盤から劣勢に立たされ中盤に点差が開くと、タイムアウトで選手に伝えた指示は「追うな」。「もう絶対2セット目は取れないから、あの点数は。だから逆にもう追うなって。もうあのゲームは取れないセットだから、ある意味屈辱だけ味わって終わって、3セット目にと。カッコつけるけど、うまくいったかな」。肉を切らせて骨を断つ戦法で勝利をたぐり寄せた。