道産子・小林珠維 投打二刀流でトライアウト受験 前日、一緒に過ごした日本ハム・水谷瞬との深い絆
投げて最速147キロ シート打撃で右前打
前ソフトバンクで東海大札幌出身の小林珠維投手(23)が14日、ZOZOマリンで行われたトライアウトに異例の〝投打二刀流〟で参加した。投げては最速147キロをマークするなど、打者2人を連続三振。シート打撃でも右前打を放つなど3打数1安打1四球と存在感を示し、「(投打)どちらも持ち味は見せられたのでよかったです」と笑顔をのぞかせた。
ソフトバンクに内野手として入団
帯広生まれの札幌育ち。「北海道がなまら好き」という道産子は、プロ入り後、異色の道を歩んできた。高校時代は150キロ右腕として注目され、2019年ドラフト4位でソフトバンクに内野手として入団。3年間は野手としてプレーした。育成契約となった23年から投打二刀流に挑戦し、今季は投手に専念していた。
この日は、力強い真っすぐで打者をねじ伏せ、「いま日本のプロ野球界はストレートが速いピッチャーが多いので、そこに負けたくない。ストレートを磨いてきたので、それを出せてよかったと思います」。ピッチング後は、昨年の秋以来となる打席に立った。
昨秋以来の打席に立ち迷わず二進
「(打席に)立っていない分、頭がクリーンのまま行けたのがよかったです」。第3打席は右前への当たりで、迷わず二塁に進み「ホークスで絶対に走塁を緩めるなと教わってきたので、貪欲に行きました」と汗を拭った。
焼き肉食べて掛けられた激励の言葉は
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野球人生を懸けたトライアウト前日。一緒に過ごしたのが、昨季までソフトバンクで共に戦った日本ハム・水谷瞬外野手(23)だった。「頑張れよと連絡が来て、ちょうどこっちにいたので、焼き肉に連れて行ってもらいました。(NPBに)戻ってくるように頑張れって」。激励の言葉を掛けられ、食事をごちそうしてくれた。
1学年上の先輩は「同級生みたいな感じです」。親しみを込めて、〝ジェシー〟と愛称で呼んでいる。仲良くなったきっかけは「分からないんですよ。でも、遠征に行ったら、いつもどっちかの部屋にいましたね」。気付けば近くにいる存在だった。
北と南に離れても続いた交流
いつも一緒だった先輩は、昨年12月に現役ドラフトで日本ハムへ移籍。離ればなれになっても、交流は続いていた。「ジェシーはいつもテレビ電話してくるんですよ。1軍で福岡に来るので、ホテル迎えに行って、よくご飯を食べに行っていましたね」。
自身の生まれ故郷で躍動する姿は、大きな刺激になっていた。ソフトバンクで1軍出場ゼロだった水谷は、新天地で交流戦MVPに輝くなどブレーク。「うらやましいというか、ずるいっすね(笑)。前の年なんか一緒に3軍でやっていたんですよ。ファイターズに入って、1軍に行って。考えられますか?」。活躍ぶりを「めちゃめちゃ見ていました」とチェックしていた。
いい報告できそう?「僕からは連絡しないです」
仲の良い先輩を発奮材料に、投打でアピールに成功。水谷にもいい報告ができそうだが「たぶん(映像を)見ているので、僕からは連絡しないです」。茶目っ気たっぷりの笑顔を見せていた。