ファイターズ
《ハム番24時》11月15日
日本ハムOBで現在はオイシックス新潟でプレーしている陽岱鋼が14日、12球団トライアウトに参加した。師匠ともいえる人物が、鎌ケ谷にいる。清水2軍総合コーチだ。若手時代の陽が内野手から外野手に転向する時、外野守備走塁担当として、熱心に指導。教え子は後にパ・リーグを代表する外野手となり、ゴールデングラブ賞を4度、獲得した。
当時、鍛え上げた選手が今、30代後半になった。トライアウトを受けることは事前に聞いていて「億を稼いだ選手に何も言うことがないよ。彼の野球人生を全うしてくれたら、それが一番うれしい。最後まで悔いなく、やってくれたら」とエールを送った。
2012年に一度、日本ハムを離れることになった。選手たちの前であいさつすると、陽は涙を流して別れを惜しんだ。それほど慕われていた。
記者が当時の出来事を持ち出すと、清水コーチは「小突いていただけだから(笑)。育てられたかといえば、自信はない。あいつらのおかげで学ばせてもらったよ」と照れくさそうに感謝。今後の野球人生に期待し「きっと、彼もゆくゆくは指導者になると思う。頑張ってもらいましょう」と優しい口調で続けた。師匠の魂は、弟子に受け継がれていく。