エース高橋が寒さ吹き飛ばす熱投 東海大札幌高が10年ぶり神宮で白星【明治神宮大会高校の部】
■明治神宮野球大会第1日(11月20日、東京・明治神野球場)
▽高校の部1回戦 大垣日大高0-3東海大札幌高
完封勝利は05年の駒苫以来
10年ぶり5度目出場の北海道代表・東海大札幌高が3-0で東海地区代表の大垣日大高(岐阜)に勝利した。一回に1死一、三塁から4番・太田勝馬一塁手(2年)が右中間に抜ける先制の2点三塁打を放つなど3点を奪った。そのリードを先発の左腕・矢吹太寛(2年)、エース・高橋英汰(2年)、3番手の砂田左漸(1年)の3投手が完封リレーを完成させ、〝スミサン〟で逃げ切った。明治神宮大会で北海道勢が0封勝利するのは2005年決勝の駒大苫小牧以来。22日の2回戦では初の4強入りを懸け、中国大会で優勝した初出場の広島商と対戦する。
遠藤監督は就任後9連勝
この秋に就任したばかりの遠藤愛義監督(40)が、札幌支部から始まった連勝記録を「9」に伸ばした。全国大会初陣初勝利には「そこはあんまり意識せず戦いました。雨でノックがちょっとバタバタしてたけど、試合に入ったらいつも通りやったので、すごく成長につながったかな。先制点をうまく取れて、ピッチャーがしっかりと投げて守り勝てて、今まで通りのいい展開だった」と、普段着野球で勝利を呼び込んだ。
矢吹の好投にエース高橋も応えた
秋は支部から全道決勝まで8試合で7失点と、1試合平均1点台を切る投手陣にとって、一回の3点は大きなアドバンテージだった。先発した矢吹の4回無失点の好投にエースナンバーを背負う高橋が燃えない理由はなかった。球場周辺の最高気温は9度と東京にしては肌寒く、朝から雨が降り続いたことで体感温度はさらに低下していたが、「全然、野球はできる」と、寒さを吹き飛ばす熱投を見せた。
攻守においてアグレッシブ
高橋の最速は143キロながら、秋の全道大会4試合16イニングでわずか4四球と抜群の制球力が武器だ。五回の立ち上がり、先頭にいきなり安打を許したが、後続を3人でピシャリ。さらに六回から2イニング連続で3者凡退を続けた。八回にも先頭に安打を打たれたが、再び3人連続の凡退で4回無失点。三振は1つだったが、無四球投球でまとめた。
相手打者にはフォークやスライダーを駆使してストライクゾーンでグイグイ勝負。「常に攻めて総攻撃っていうことをチームのテーマとして掲げていて、 ピッチングでもどんどん攻めのピッチングができたら」。攻守にアグレッシブなスタイルで勝利をたぐり寄せた。