旭川志峯が17度目の挑戦で北海道女王に 札幌山の手を今年三度目の正直で撃破【春高バレー北海道予選】
■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦 最終日(11月22日、北ガスアリーナ札幌46)
▽女子準決勝 札幌山の手2-0札幌大谷、旭川志峯2-0帯広南商業
▽女子 決勝 旭川志峯2-1札幌山の手(16-25、28-26、29-27)
女子決勝はフルセットの末に栄冠
男女の準決勝と決勝が行われた。女子は旭川志峯が準決勝で帯広南商業を下して初の全国切符をつかみ取ると、勢いそのままに札幌山の手との決勝戦でもフルセットの末に勝利。17度目の全道大会挑戦で、ついに北海道の頂上へとたどり着いた。決勝に進んだ両校は、来年1月5日に東京体育館で開幕する本大会に進む。
最終セットもデュース
まさに激闘だった。札幌山の手が1セット目を先取して迎えた第2セットは、デュースの末に旭川志峯が奪取してイーブンに持ち込む。最終第3セットも互いに譲らず、再びデュースまでもつれた大会史に残る大熱戦は、旭川志峯の初優勝という形で幕を閉じた。
2年時からキャプテンとしてチームをけん引してきたOH戸村由那(3年)は「本当に勝ったのかなって、信じられない感じが最初にありましたけど、その次にうれしいという気持ちが湧いてきました」と、勝利の瞬間を振り返った。
頑張る子に「勝つ喜びを」 キャリアがなくても気合と根性
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〝非エリート集団〟が北海道女王の栄光に輝いた。チームを率いて6年目の福田まどか監督(47)は、「エリート集団ではない子たちを鍛えて勝つというチームも北海道にあっていいんじゃないかなって。エリートじゃない子でも、やる気があって頑張りたい子は北海道にたくさんいる。そういう子たちに勝つ喜びを味わわせたくて」と指導を続けてきた。〝福田イズム〟はチームにも浸透し、中学時代は無名だったという戸村主将も「キャリアや経験値がないチームでも、気持ち、気合や根性でここまで登り詰めてきた」と胸を張った。
今年2度のデュース惜敗で猛練習
そのチームの姿勢が最大限に発揮されたのが決勝だ。旭川志峰は今年、6月のインターハイ予選準決勝、9月の皇后杯北海道ブロックラウンド決勝と、2度とも札幌山の手の前に屈してきたが、いずれも最終セットでのデュースで敗れていた。
福田監督はデュースの際の「最後の2点を取りきる」ということを最大のテーマとして掲げ、この大会に向けても「たくさん練習している山の手よりも、もっと練習をしよう、北海道一練習をしよう」とやってきた。この試合でも再び最終セットでのデュースまでもつれたが、これまでやってきた練習量を自信にし、〝三度目の正直〟でついに札幌山の手撃破を成し遂げた。
初舞台は全国1勝を目標に
旭川志峰にとって、初めて踏み入れる春高バレーの晴れ舞台。約1カ月半後に控える新たな戦いに向け、戸村主将は「まず1勝」を目標に掲げる。「支えてくれている方々への思いを込めて戦いたいです」。学校名変更から2年目に書き込まれた新たな歴史の1ページ。そのページをさらに書き進めていくため、北海道女王が胸を張って東京体育館へと乗り込んでいく。