《平川弘のCool Eye》札幌にとってリスクをかけての撃ち合いはもってこい
緊迫感のあった天皇杯決勝
天皇杯の決勝は神戸がG大阪を1-0で下し、関西勢対決を制した。東京の国立開催であの観客数(5万6824人)、盛り上がりは大したもの。元日に行われない天皇杯決勝に違和感を拭い切れないが、緊迫感のあるゲームであった。
どちらが勝ってもおかしくないゲームだったが、G大阪はFW宇佐美がいない分、最後のゴール前の部分での怖さがなかった。神戸も決して攻撃がうまくいっていたとは思わないが、我慢して自分たちの流れの時にチャンスをものにした。そこにはやはり、こぼれ球を拾い、FW大迫にロングボールを入れて起点をつくり、FW宮代、武藤が飛び出してくるという自分たちの形があった。彼らは現在、リーグ戦でも首位にいるが、やはり安定した強さがあると感じた。
柏を叩いてくれることを願いたい
札幌の残留争いのライバルである柏。その次節の対戦相手が神戸である。天皇杯決勝とリーグ戦ではモチベーションも違うし、全く違うゲームである。天皇杯を獲って神戸も一息つきたいところだろうが、リーグ戦では広島と勝ち点3差で首位にはいるが、負けられない状況。必死に向かってくる柏を叩いてくれることを願うばかりである。
3点差以上で勝つという目標 点を取りに行く意識がどう影響するか
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札幌は次節の相手である広島に3点差以上で勝つという目標を立てて攻撃的に行くとチームの意思統一を図った。柏との得失点差9を考えると3点差以上をつけて勝つことが残留への最低条件となるからだ。簡単に3点差以上と言っているが、アウェー戦だし、相当難しいミッションであることは言うまでもない。
ただ、大量得点を取りに行くしかない札幌にとって、リスクをかけて攻めに行く撃ち合いは、もってこいではないだろうか。負けられないということより点を取りにいく意識が良い方向に向かうことを祈りたい。
古巣相手に借りを返してほしい浅野
それには当然だが、早い時間での先制点が必須となる。相手が集中している時間帯に先制点を取るのは大変だが、セットプレーとかで先に点を取れたら最高である。湘南戦で決定機を外したMF浅野が古巣の広島相手に何かやってくれると思うので期待している。
昨年も広島戦では良いところがなかった感のある浅野だが、ここで借りを返してほしい。広島はシステムが3-4-2-1の並びなので、札幌とはミラーゲームになる。マッチアップする相手がはっきりしているので積極的にプレスをかけやすい。1対1で負けないことは必須だが、後ろが数的不利になっても前に人数をかけるリスクをとらないと3点以上は取れないだろう。