高校野球
2024/12/20 06:00 NEW

道内高校軟式野球最速の149キロ 北海道科学大高エース大谷が人命救助でエース目指す

国スポの高校野球軟式の部で149キロをマークした北海道科学大高のエース大谷投手=撮影・西川薫

10月の国スポで自己最速をマーク

 10月に佐賀県で行われた国スポ・高校野球軟式の部で、夏の全国高校軟式選手権に出場した北海道科学大高のエース・大谷哲也投手(3年)が自己最速の149キロをマークした。7月の全道大会準決勝の登別明日戦ではノーヒットノーランを達成するなど注目を浴びたが、卒業後は大学や社会人へは行かず、専門学校へ進むという。高校で主流ではない軟式に打ち込んだ理由とは?

動画見直し思わず「すげえな」

 衝撃の1球は、国スポ1回戦の興国戦。二回にスコアボードに「149キロ」と表示されると、スタンドがざわついた。「高校に入って初めて数字が分かった。1、2年生のころはあまり球速とか分からなかった。試合が終わった後、動画を見直して。すげえなって(笑)」と屈託のない笑みを浮かべた。

「肩が強いから」一塁手から投手に転向

 釧路生まれで、江別・大麻東中では軟式野球部に所属。この秋のドラフトではNPBの2軍球団・くふうハヤテベンチャーズ静岡から阪神に育成3位で入団した最速150キロ右腕・早川太貴投手(24)の母校でもある。同校2年時に「単純に肩が強いから、という理由で。速さ的にはチームで1番でした」と、一塁手から投手に本格転向。3年時に136キロをマークし、道内の複数の強豪硬式私立校から特待生の声がかかったが「練習がすごくきつそう、というのもあったし、坊主にしたくないのが一番の理由」と、五つ上で3年時に同校のエースとして全国に導いた兄・卓未さんの後を追った。

 入学早々の1年夏には、夏の全道決勝で公式戦初先発して7回2安打無失点。14度目の優勝に貢献したが、大友宏記監督(41)は「2年生までは、ドーンって、速い感じはするんですけど、バッターに結構捉えられてた」と、振り返る。

東北遠征で化けた!? 指揮官も驚く成長

 転機は今年のゴールデンウイークの東北遠征。この夏の全国高校軟式選手権で準優勝した仙台商業など4連戦全てに登板。なかでも4試合目の仙台商業戦では、先発して散発4安打、10奪三振。5-0で完封勝利した。ベンチから見ていた指揮官は「急に真っすぐだけで三振を十何個も取り始めた。そんなに速さが変わったという感じはしないけど、バッターのバットに当たらなくなってきた」と目を見張る成長を見せたが、大谷自身は「あまり感じなかった」とそこまでの手応えはなかった。

夏の全道大会準決勝で〝準パーフェクト〟

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