柏ドローで札幌の9シーズンぶりJ2降格決定 最短復帰目指し広島戦で意地示す
■11月30日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌の2016年以来となるJ2降格が決定した。チームは12月1日のアウェー広島戦(Eピース、午後2時キックオフ)に向けて、雪に覆われたピッチでボール回しなどして最終調整。練習後、遠征メンバーは試合の舞台となる広島へ向けて出発したが、午後2時からの試合で17位柏が引き分けて、勝ち点が41の16位に浮上した。勝ち点34の札幌は残り2試合に連勝しても、勝ち点は最大40点どまりで18位以下が確定したことから、J2降格が決まった。2017年以降、8シーズンにわたって守り続けてきたJ1の座を去ることとなった。
敵地広島で聞いた知らせに荒野「残念」
逆転残留を目指すチームを後押ししようと敵地に向かう大勢のサポーターと共に、決戦の地・広島行きの飛行機に乗り込んだ札幌の選手、チームスタッフ一同。だが午後4時過ぎ、機内に届いたのは、残留を争う柏のドロー決着による、札幌のJ2降格という悔しい知らせだった。広島到着後、キャプテンのMF荒野拓馬(31)は「残念だという気持ちが強い。後半戦、苦しい状態から立ち直って、粘り強さを見せられたと思うけど、最後の最後でこうなってしまったのは悔しい」と心境を語った。
主力が抜け、負傷者が続出して迎えたシーズン
田中駿汰(27、現C大阪)や小柏剛(26、現FC東京)、ルーカス・フェルナンデス(30、現C大阪)ら、昨季までの主力選手たちがチームを去り、迎えた、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)体制7年目。だが沖縄での1次キャンプでは負傷者が続出し、一時は10人以上の選手が別メニュー調整に回るなど、1年を通して戦い抜く体づくり、そしてチームスタイルを再構築する重要な時期に、満足なトレーニングを積むことができなかったことが、シーズンに暗い影を落とすこととなった。
アウェーで行われた福岡との開幕戦こそスコアレスドローで勝ち点1を得たが、次戦から5連敗。リーグ戦7試合目のホームG大阪戦で、MF宮澤裕樹(35)の決勝ゴールにより待望の今季初白星を手にしたものの、チームの調子はなかなか上昇せず、鳥栖に4失点大敗した第2節以降は、J2降格圏の中でもがき苦しみ続けた。
第15節柏戦から悪夢のリーグ8連敗
第14節のホーム磐田戦をMF浅野雄也(27)のゴールによって1-0で勝利し、シーズン2勝目を挙げたが、同戦の終了間際にはその浅野が負傷し長期離脱。ここから再び負傷者が続出し、第15節アウェー柏戦から第22節アウェー鹿島戦まで、札幌はリーグ戦8連敗を喫した。その期間にはクラブ史上最長となる5試合連続無得点という不名誉な記録を更新するなど、ミシャサッカーのストロングポイントであった攻撃力が鳴りを潜めた。リーグ戦が折り返し地点を迎える頃、クラブは監督交代という選択肢も検討したが、最終的にはペトロヴィッチ監督の続投を決断。5月29日には三上大勝代表取締役GM(53)が、クラブ公式ホームページ上で「今シーズンをクラブとミシャ監督との集大成」とするという声明を発表した。