大海「伊藤大海杯」開く 道民栄誉賞贈呈式で夢語る
故郷に恩返しだ! 東京五輪野球で金メダルを獲得した日本ハム・伊藤大海投手(24)が10日、北海道から贈られる「道民栄誉賞」の贈呈式に出席した。鈴木直道知事(40)から表彰状を受け取り、決意も新た。将来的に自身の名が冠された少年野球大会「伊藤大海杯」開催へ意欲を見せた。
故郷のために…
野球振興の活動を通して、愛する地元に貢献したい。道民に希望と活力を与えたアスリートとして「栄誉賞」を受賞した伊藤が、故郷へ恩返しの夢プランを口にした。
「伊藤大海杯、いいですね。将来的には各地を回って、いろんな地域の子供たちといろんなことをできたらなと思います」。冠大会の創設と、道内各地へ指導行脚する案を明かした。
自身も少年時代に夢を与えてもらった。小3時に同じ鹿部町出身で大洋(現DeNA)などで活躍した故・盛田幸妃さんが開いた野球教室で指導を受けたことが、プロ野球選手を志すきっかけの一つ。「僕自身、盛田さんと会って、プロ野球選手を身近に感じられた。そういうきっかけ作りになれれば」と語る。
こんな思い出もある。小学生時代には鹿部クラップーズの一員として、盛田さんが主催する「盛田幸妃杯少年野球大会」に出場。「いいところで1本打って絶対に(個人賞を)もらえると思ったのにもらえなくて、大泣きして帰った記憶があります。悔しすぎて、次の年は取れるもの全部取りました」。最優秀選手賞など個人賞を総なめ。人生初の金メダルを盛田さんからかけてもらった。
名前を冠した大会は、プロ野球選手でも一流の証しだ。「来年はビッグボスの下で、北海道を熱く盛り上げられるように頑張ります」。「伊藤大海杯」実現へ、さらなる活躍を目指す。
(中田愛沙美)
■ソフト山本も受賞
日本ハムの伊藤とともに道民栄誉賞を受賞したソフトボール女子日本代表の山本優(33、ビックカメラ高崎、当別高出)。札幌市役所も表敬訪問し、秋元克広札幌市長(65)から市長特別表彰を受けた。
日本代表不動の4番として東京五輪の金メダル獲得に貢献した。ねぎらいの言葉を受け「生まれた北海道で賞をいただけるのは本当にうれしい」と声を弾ませた。
今季限りでの現役引退を決断した。「選手としてもっと上がっていきたいという気持ちが薄れてきた」とやりきった様子。今後については「北海道に戻ってきて、子どもたちにソフトボールを指導できたら」と第2の人生のビジョンを語った。
早速、年内にも道内で中学生の合宿に出向き、これまでの経験を伝えていく予定。「ソフトボールを楽しいと思ってもらえるような指導をしていきたい」と新たな夢を膨らませていた。