【一問一答】松本剛 オフは振りまくる 若手時代のがむしゃらで現状打破をー
日本ハムの松本剛外野手(31)が3日、エスコンフィールド北海道で契約更改の臨み、現状維持の年俸1億1000万円でサインした(金額は推定)。打撃で悩み抜いた今季の反省をもとに、オフは若手時代さながらの振り込みに挑戦するつもり。来季は打率3割と中堅のポジションにこだわり、レギュラーを確保する。一問一答は以下の通り。
【日本ハムの契約更改一覧:12月3日時点】
―サインは
「しました。現状維持でサインしました」
―球団の評価をどう受け止めているか
「本当に個人成績がめちゃくちゃ下がってしまって、悔しいというか、反省する…。チームに迷惑をかけてしまったシーズンだなという自己評価だったんですけど、引っ張っていってくれたという部分を評価していただいた。そこは僕自身も1年間すごく大事にしてきた部分だったので、そういうふうに言っていただけて、うれしい気持ちとともに、もっともっとやらないといけないなと思いました」
―選手会長として球団に伝えたことは
「ちょっと難しいんですけど、今年、少しだけファームに行く機会があって、若手の選手のことについて少しだけ意見というか、話はしました。ポジティブな内容です」
―あらためてどんな1年だったか
「何よりチームが2位になったというところは、すごく大きな1年だったなと思いました。このエスコンフィールドができて初めてCS(クライマックス・シリーズ)が開催され、大きな意味を持つ1年だったなと思います。個人的に苦しくてチームの足を引っ張ってしまって、申し訳ない日が続いた中で、チームが勝つだけで僕自身も何度も救われましたし、チームが勝つことによってファンの皆さまがすごく喜んでくれて、あれだけのファンの方がCSに足を運んでくださって声を出してくれて。野球の楽しさをまた、あらためて感じましたし、チームスポーツの良さをすごく感じた1年でした」
―個人成績が下がった理由をどう分析しているか
「いろいろな課題はもちろんありますし、打撃面はなかなかゴールが見えないところがあるので、自分の中で迷いのあった1年だったかなと思いますし、自分がどうあるべきなのか、というところが定まらなかった。でも野球は打つだけじゃない。今年1年、打はダメでしたけど、ほかの部分でなんとかという思いで1年間できましたし、そういう意味ではプラスに捉えてもいいのかなと思います」
―20盗塁や好守も目立った
「やっぱり打たないと試合に出られないですし、僕たちに直接、反映されるような評価は打つことが見えやすい。そこに対する意識は僕を含め、ほかの選手も高くなってしまう。野球は走って、打って、守って。走攻守があるとなった時に、1個がダメでも、ほかの2つでカバーできるのも事実ですし。1個ダメで全部ダメになっちゃう選手はレギュラーとして出られないと思う。今年は打てなかったですけど、絶対に引きずらないで、センターのポジションに就こうという思いだけは1年間、貫けたのかなと。そこでカバーできることもあるんだなと感じた1年でもあったので。守備に対する意識は、打てなかった分、より高く持てたのかなと思います」
―オフに取り組みたいことは
「打撃面がメインになりますが、もう一つは走りの面で、年齢も30を超えてきて疲労もあります。疲労を残さないために、走るということと、もう一度、がむしゃらに体力ベースも少し上げていけたらと思っているので。一回、若かった頃と同じように、がむしゃらにやる練習も必要なのかなと。今の時代に反しているかも分からないですけど、がむしゃらに貪欲にセンターのレギュラーを必ず取るというところで、準備をしていきたいなと思います」
―首位打者を穫った時に戻すのか、試行錯誤するのか
「そこは難しいところ。過去に戻るという考えはない。新しい自分を見つけながらも、何が自分に一番合っているのか、やりながら見つけていくしかない。いきなりホームランバッターになります、というわけにはいかないので。自分の感覚と新しい感覚をうまく結びつけながら、いい方向にもっていきたい」
―オフの自主トレの場所は
「12月は都内。1月は伊江島に行きます。開幕4番の野村と一緒に行きたいです。細川と石井も一緒に行くので、そこは変わらずですね」
―来年の開幕戦はどう迎えたいか
「今年1年、センターをやらせてもらって、魅力、楽しさを感じた1年で。野球の勉強もすごくできましたし、センターというポジションはこんなに野球が見えるんだな、とあらためて感じて、楽しさがすごくあって。今までは外野の一角でレギュラーでいたいと思ったいたんですけど、来季はセンターのレギュラーで1年間、出続けるということを目標に準備していきたい」
―直前に浅間もセンター奪取を目標に。チーム内の争いについては
「もちろん、そんなの当たり前のことですし。今年の僕の成績で、来年のレギュラーに決まっていないということは、自分が一番、分かっていますので。もう一度、レギュラーを取りにいくのがスタート。大基だけではなくて、全外野手がライバルになるのは間違いないので、負けないようにやっていきたい」
―来季の個人、チームの目標は
「センターのレギュラーを1年間、やり続ける。そこが一番です。打撃面では、打率3割がなかなか(球界全体で)少なくなっていますけど、そこは永遠のテーマでもありますし、ずっと目標にしたい数字なので、そこを目指して個人的にはやっていきたい。チームとしては、今年2位で、1位しかないとファンの方も思われているかと。僕たちもその気持ちでやります。ただ、甘い世界ではないので、なかなか厳しいシーズンになることもあると思いますけど、とにかくリーグ優勝、日本一だけを目指して1年間やっていきたい」
―若手時代のようながむしゃらな練習とは
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「振り込みをもう少し、12月、1月は。振る量を確保していきたいなと思いました」
―スイング量はここ数年、どのくらいか。若手時代は
「難しいですね。ここ数年はどうしても形にこだわっていた部分がすごくあったので、がむしゃらに振るということは、今の時代でいったら意味がないという方がたくさんいると思うんですけど、世間的には。それも重々、分かっていますし、ただ、僕個人的にはちょっとそういうのも大事なのかなとあらためて1年戦って思ったので、そこはもう一回、ギアを入れるじゃないですけど、やっていけたらなと思っています」
―体を追い込むような形になるか
「トレーニングの部分で考えると、ここ数年もしっかりやれている感じはあるんですけど、打つ方と考えた時に、技術、技術、形、形となりすぎずに、ちょっとがむしゃらな部分も必要なのかなと思っています」
―振って壊して、つくり上げるようなイメージではないか
「うーん、壊すという考えよりも、無心で振ることが大事なのかな。昔は打ちたい打ちたい、ただ打ちたいから振ろうみたいな時期もすごくあったんですけど、最近は形で、こうやって打った方がいいと理論的になりすぎている部分もあったので。ちょっと反しているかもしれないんですけど、そういう時間も必要なのかなとは、ちょっと思っています」
―それは1月の伊江島で多く振るのか
「そうですね。僕はそこはちょっと多めにいきたいなと思っています。ほかの3選手の意見は聞きながらなので、やらないと言えば、僕だけでもいいですし。そこは強要するつもりも一切ないですし。好きにやれたらなと思います」
―今季は打撃が定まらなかったと
「どう打つのが正解なのか。今まで打っていた感覚を信じるのが正解なのか、新しいものを取り入れるのが正解なのか。打撃理論がいろいろ、時代を追うごとに変わっていく中で、自分に今一番、何が足りないのか、という部分が明確にできなかった1年間だった。そこは一回、明確にしつつ、ある程度、固めた状態で2月に入れたらなと思っています」
―がむしゃらにバットを振ってきたのはいつごろか。高校時代か
「プロに入ってからですね。1軍で出れるまでは、ひたすらマシンを相手に気付いたら1時間、1時間半がたっていた、という時もありました。これが必要ないと言われる時代になってきていますけど、僕はそんなことないかなと個人的に思っていますので、あっていいのかなと思いながら」
―どんな狙いで振っていたのか
「狙いという部分では、形にこだわって技術だけをやってしまうと…その技術がうまくハマらなかった時にカバーする力が今年はなかったと感じたので。下半身の粘りとか、打撃でしか生まれない動きはあると思っているので、そういうものをもう一回、つくれたらなと思っています」
―ピッチャーのレベルも上がっている。成績を残し続ける難しさがある
「そこは今年、すごく思った部分で、投手のレベルが上がっている中で、変わらずに成績を残している選手が少ない。野球界全体を見てもすごく少ないのが事実ですし、投手のレベルが上がっているので、そこに野手のレベルもしっかり追い付いていけるようにと思っています」
―2年続けて、規定打席をクリアした上での3割打者が、ほぼいない
「いないですね。そこは顕著に出ている部分かなと思うので、投手のレベルが上がっているのは事実だと思います」
―打席で感じる近年の投手のすごさは
「見て分かるといえば、平均球速も上がっていると思います。あとは変化球の精度。同じ腕の振りで変化球を投げられるピッチャーが増えているのも事実ですし、空振りを取れる球種が増えているのがすごく1個の要因かなというふうに思う。そこに対応するのは、いたちごっこにはなると思うんですけど、野手がそういうピッチャーを攻略できる時代にしていけたらなと思います」
―監督のやりたい野球ができるようになってきたと言われている
「ありますね。そこは。もう3年やって、監督が考えているようなことが、たぶん僕以外の選手も分かるようになってきていると思いますし。ある程度、意思がリンクした方が作戦も決まりやすいと思うので、そこは少なからずあると思います」
―昨年までは監督の意図をくみ取れていなかったのか
「去年よりは今年の方がくみ取れるようになった、という表現が正しいかなと」
―時間とともに信頼関係が強くなっているか
「それはあります。新庄さん、本当に僕たち選手一人一人のこと、すごく見てくれている監督なので。特徴も監督が一番、分かっていると思いますし。生かし方が、僕たちにも伝わるようになってきているかな、という感じはあります」
―センターから野球をどう見ていたか
「守備はすごく大事だなというのをあらためて感じた1年でした。ショートの水野がね、あれだけ出てきて。肩も強くて。セカンドもある程度、固定されていた部分ではあったので、そこはすごく大事なのかなと。センターに入って、レフトにジェッシーが入ったり、いろんな選手が守りましたけど、声をかけることによって意識がすごく高くなってくるなという実感もあったので、やっていて楽しさはありました」
―契約更改交渉が長かった
「長かったですね。世間話みたいな。契約自体は数分で終わりましたけど、いろんな話をさせてもらって。ファームに行った感想を少し言ったという感じです」
―どんな内容を伝えたのか
「どうなんだろう。練習量という部分では、僕は正直もっと練習した方がいいと思っているタイプなので。数字はもちろん大事ですし、ただ、年間を通して活躍するとなった時に絶対に体力が必要になってくるのは事実なので。考え方かもしれないですけど、143試合で規定打席に乗るような活躍をしたいのか、1、2カ月ポンと活躍したいのか、というところになってくるかなと思います」
―運動量の制限もある
「なかなか難しいところではあると思いますし、球団の方もいろいろ育成方法を考えてらっしゃると思うので。そこに対しての意見というか、僕はこう思いますということを少し言ったという感じですね」