福田俊 初の〝弟子入り〟へ 選んだ自主トレ先は…
来季へ向けて鎌ケ谷で自主トレーニング
日本ハムの福田俊投手(27)が3日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で自主トレを行った。チーム1の呼び声高い美声を披露したファンフェス、選手会納会などの行事を終え、すでに気持ちは来季へと向いている。
この日はダッシュや田中瑛とのキャッチボールで汗を流し、完全習得を目指すシュートの練習にも取り組んだ。
昨季29試合で防御率0.00 今季はわずか2試合登板
不遇のシーズンだった。昨季は登板した全29試合で無失点と結果を残すも、今季の1軍マウンドは4月の2試合のみ。今年も失点は0だった。2軍では29試合で防御率3.21。8月以降は7試合連続0封と結果を残したが、上位争いをしていたチームから声がかかることはなかった。
厳しいプロの世界を実感 「席は限られている」
「特別、(調子は)悪くはなかったですけど、チャンスが回ってこなかった感じですね。あとワンチャンス欲しかったですけど、そういう世界ですから仕方ないです。席は限られているので。上(1軍)にいる人を落としてでも上げたくなるような成績、(投球の)内容が必要だった」
道産子左腕は悔しさを抱えながらも、自分自身に矢印を向けた。
頭をよぎった戦力外通告
12月14日には28歳になる。先輩よりも後輩が増えてきた現状を踏まえ、今年は戦力外も頭をよぎったという。
「全然、(戦力外が)気になりましたよ。いつかは来る。でも少しでも長くやれたらいいなと思っているので、本当に来年、勝負。背水の陣です」と力を込めた。
必要なユニークさ 求める球種とは
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生き残るために必要なことは何か―。自問自答の末、たどり着いた答えは「シュート」だった。
「うちの左(投手)にいないような左ピッチャーにならないといけない。同じようなタイプだと、また同じことになってしまうので。何か突出した、他の人と違った部分をどうにかつくっていければなと思っています」
秋季キャンプで手応え さらに磨きを
イメージは、苦手とする左打者の内角をえぐる必殺球だ。
「やっぱり対左ですね。右に対しての方が今年は成績が良かった。(シュートを)左のインコースに投げきれれば、結構、使える球になると思う。もともと自分はシュート成分の多い真っすぐなので、めちゃくちゃ難しいことをやろうとしてるわけじゃない。ただ、インコースに投げきれなかったら、かえって打たれる球なので、インコースの精度が大事です。いい左バッターが多いですし、1軍は特に(マウンドに)行けと言われるのはやっぱり左バッターが多いと思うので。例えばランナーを背負ったところで行けと言われても、初球から(内角に)投げきれる精度、度胸を身に付けていきたいなと思っています。秋季キャンプで結構、練習して、いい感じにきていると思うので、さらに仕上げて、キャンプまでにゲームレベルに持っていきたい」と意気込んでいる。
21、22年の最多勝右腕に弟子入り
殻を破り、一回り大きく成長するため、武者修行に出る覚悟を決めた。プロ入り後、オフは毎年、鎌ケ谷を拠点に1人で体を動かしてきたが、来年1月に初めて阪神・青柳らの合同自主トレに〝入門〟する。
21、22年のセ・リーグ最多勝右腕に加え、チームメートの生田目、元同僚で現ロッテの西村ら、なじみのあるメンバーも参加しており「(来年)プロ7年目にして初めて、鎌ケ谷を卒業しようかな」と弟子入りを決意した。
生田目や元F戦士の西村とも共闘
「ずっと鎌ケ谷で1人でやっていたので。なばさん(生田目)に『どうだ?』って誘っていただいて、確かに良いなと思って、ちょっと行ってみようかなと。青柳さんはシュートを投げるので、そういうところを聞いてみたい。西村さんにも連絡して、楽しみにしてるよって言ってもらいました。静岡で1月上旬に2週間くらいなのかな。いろんな人から、いろんな話を聞いてレベルアップしたい。本当に、来年もう、やばいので。結果を出さないといけない。29歳になる年で、いつまでもファームにいるわけにいかないので」
雪辱を期す25年シーズン 目指すはスタートダッシュ
人生を懸けて臨む来季は、スタートダッシュを決めるつもりだ。
「まずは開幕1軍。今年は直前で(2軍に)落下したので。もちろん、(キャンプインの)2月1日合わせです。しゃかりきにやっていかないと残れないので」。辛酸をなめた2024年はもう終わる。25年は逆襲の1年にしてみせる。