ファイターズ
《ハム番24時》12月4日
現状維持で契約更改したベテランの中島を取材していた。2024年は禁酒、節酒を自らに課していた。「今年の1~3月は全く飲まなくて、シーズンが始まってからは休み前しか飲まない生活でした。お酒はやっぱり飲み過ぎると、けがにつながると思うので」。誘惑に負けず、マイルールを守り抜いたそうだ。
1月は、宮古島で自主トレを行う時期。記者は10数年前、中島や当時現役だった田中賢介SA(スペシャルアドバイザー)らを取材するため、宮古島を訪れたことがある。その時の記憶は鮮明だ。地元の方々がとても親切で、報道陣も宴席に誘っていただいた。
島民の飲みっぷりは豪快だった。泡盛をグイグイと飲み干す。当時はオトーリという昔ながらの風習があり、一人ずつあいさつし、なみなみと注がれた泡盛を回し飲みする。歓迎の儀式のようなもので、下戸の記者は断るのが申し訳なかった。
酒豪たちからおもてなしを受ける中、断酒は可能だったのか―。そんな疑問に対して中島は「大変でした。めっちゃ言われましたもん。宮古の人に。『えっ、えっ? 本当に? 冗談でしょ? みんな飲んだら飲むんでしょ?』みたいな。ここで飲んだら終わりなので、なんとか耐えましたね」と情景描写を交えて教えてくれた。
その場の空気に流されず、自らの意志を貫く―。長く現役を続ける選手は総じて、ブレない心を持っている。