梅林優貴 オフの秘密兵器は〝大谷マシン〟「年俸もちょっとだけ上がったので、そのご褒美で」
3日に届いたばかりの打撃用マシン
日本ハムの梅林優貴捕手(26)が秘密兵器を手に入れた。ドジャースの大谷翔平が練習に使用したことで注目を集めた「Power Alley Lite 360 Baseball Pitching Machine」だ。日本未発売のため、米国から取り寄せ、3日に寮に届いた。
室内練習場で早くも使用 「我慢できなくて」
「大谷さんが使っていた映像は見たことがあって、たまたま機会があって自分も使ってみたらすごく良かったので、6万円ぐらいしたんですけど、買いました。注文してから2週間ぐらいで届いて、(3日の)練習が終わってから開けようと思ったんですけど、我慢できなくて、すぐ組み立てて持ってきました」と早速、鎌ケ谷の室内練習場で打ち込んでいる。
キャッチングや捕球などの練習にも活用
本格的な投球マシンとは違い、「へこまないテニスボールぐらいの硬さ」という専用のボールを使用する。球速は60マイル(約96キロ)だが、スライダーやカーブも可能で、リリースの角度を360度自在に変更できる優れものだ。
打撃練習だけでなく、捕手のキャッチングやブロッキング、野手なら飛球やゴロの捕球練習などにも活用できる。
近距離に置いて体感150キロ
「今はアイピッチっていう、もっと本格的な、いろいろな投手の全部の球種を再現できるようなマシンもあるんですけど、実際の投手と対戦する感じなので、やっぱり精神的に何球も打つのがしんどいんですよ。セッティングにもちょっと時間がかかりますし。誰かに投げてもらうにしても、それこそ相手がいることなんで、長く打つことはできないですし、球速を上げてもらったら、内側(内角球)が、デッドボールも怖いなと思ってしまって、その感じで打席に立っちゃったら、あんまりいい練習にならない。でも、これだったらコンセントにつなぐだけで、球速はずっと変わらない。ボールをポコポコ入れるだけで打てるし、柔らかいのでどこに当たっても痛くない。ポンポンポンポン打てますし、再現性が高いので、いい感じだったら同じとこにどんどん投げてもらえる。マシンとの距離を5、6メートルにしたら、体感では150キロ弱ぐらい出るので、目とタイミングとか、間の感じをつかむこともできる。ボールにすごい縦回転がかかるので、浮き上がる感じの球の練習にもなる。そのへんもすごいいいなと思いました」
年俸アップで購入を決断
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プロ5年目の今季は7月に支配下昇格を果たし、1軍で3試合に出場。2軍では47試合で打率.322、3本塁打をマークした。契約更改では推定年俸770万円から30万円の昇給もゲット。新兵器購入は、自分へのご褒美でもある。
「今シーズン、1軍にはあんまり上がれなかったですけど、自分的には結構、頑張ったシーズンだった。年俸もちょっとだけ上がったので、そのご褒美でちょっと何かを探していて、税抜きだったら昇給分の半分ぐらいになっちゃうんですけど(笑)、買わせてもらいました。(ご褒美が)来る時のワクワク感を考えたら、野球道具が一番あるなと思ったので」と少年のような笑顔を見せた。
再び〝おばあちゃんのトス〟も可能
オフ期間中は〝大谷マシン〟を使い倒し、ほぼ無休でトレーニングに打ち込むつもりだ。
「今年は本当に、シーズンに入るまで一回も(練習量を)落とさずにいきたいなと思っています。これまで毎年、ちょっと休みの期間をつくっていたんですけど、その期間分を取り戻したら、シーズンに入っているような感覚もあった。今年はずっと、『今、シーズンに入れ』って言われてもいけるぐらいの感じでいきたい。このマシンはボールを誰かに入れてもらわないといけないですけど、実家のおばあちゃんでもできるので。おばあちゃんには、もうちっちゃい頃から、ずっとトスをあげてもらっていたんですよ。庭のガレージにネットを張ってもらって。でも最近はちょっと硬式球で危ないので、やってもらえなかったんですけど、これならできるなと」。年末年始は家族の協力も仰ぎながら、虎視眈々(たんたん)と準備を進めていく計画だ。
春季キャンプに照準 「もう思いっきり打たないと」
何度も1軍の分厚い壁にはね返され、チャンスが簡単には回ってこないことも痛感した。だからこそ来季、春季キャンプを勝負の場と位置づけている。
「やっぱり今年を見ていても、キャンプで打てなかったら、もう1シーズン終わっているような感じだった。オープン戦も1軍に上がってないですし、キャンプの実戦が大事になる。ヒットじゃダメ。もう思いっきり打たないと。ジェッシー(水谷)もそうだった。やっぱりああいうの(長打)があって、感じいいなって思われないと、シーズンに入ったら厳しいんだなっていうのはすごく感じた」。2月に圧倒的な成長を見せつけ、開幕1軍を狙いにいく。
ファンフェスで感じた思い 雪辱を誓う25年シーズン
11月30日のファンフェスに参加し〝来季こそ〟の思いをより強くした。
「やっぱりファンフェスを見ていると、活躍した選手が目立ちますし、僕らは周りで支えるみたいな感じになる。あの中心に行きたいなと思いましたね。来年はもっと楽しいファンフェスにしたい」。脇役のままでは終われない。来オフは日本一に貢献した主役として、ファンと心の底から喜び合うつもりだ。