苫中央 全道1勝で「復活」証明する 11日から全道高校アイスホッケー
全道高校アイスホッケーがきょう11日、帯広の森アイスアリーナで開幕。今春、13年ぶりに活動を再開させた苫中央は11日の1回戦で釧江南と対戦する。チームを率いる腰越雅敬監督(49)は元日本リーグの十條製紙(現ひがし北海道クレインズ)でFWとしてプレーした経歴を持つ。部員は地元を中心に1年生が12人。まずは“復活”を祝う全道1勝を目指す。
13年ぶり活動再開
新生・苫中央が全道大会に挑む。DF天坂拓磨主将(1年)は「江南は3年生が中心。2年の差は大きい。攻めるチャンスは少ないと思うけど、公式戦1勝をモノにしたい」。1年生軍団が果敢にゴールを狙う。
経験豊富な指揮官が率いる。腰越監督は釧工高時代に全国高校総体を制した。卒業後はクレインズで12年間プレー。2005年から中大のコーチに就任し、12年にヘッドコーチとして同大を創部初のインカレ優勝に導いた。その後、40歳を過ぎてから教員免許を取得。公立高を経て昨春、苫中央に赴任した。
長く休部状態だったため、新入生確保に苦戦した。それでも腰越監督は「ただホッケーを強くするだけではダメ。勉強も大事。地域の方々に認めてもらえるような子どもを育てたい。そこを土台に、いつか日本一に」。その熱意が伝わり、12人が入部した。
新たな門出はコロナ禍でつまずいた。リンクは使えず、夏場までは走り込みや筋トレに専念。7月末から、ようやく氷上練習を開始した。10月の南北海道大会では4戦全敗したが、腰越監督は「成長していくだけ」と今大会を見据えてきた。
強豪校は第3セットや第4セットまでチームを組めるが、少数の苫中央はFW3枚を8人で、DF2枚を3人でローテーションさせる。南北海道大会の苫工戦で2ゴールを決めたFW前田善(1年)は「疲れても気合で足を動かす。気持ちで負けないで絶対に勝つ」。伸び盛りの若武者たちが氷上を駆ける。
(西川薫)