札幌FW菅大輝が自身のメモリアルマッチで指揮官に勝利捧げる「ミシャがいなかったら達成できていない」
11対11の練習でクロスを上げるFW菅(右)=撮影・桜田史宏
■12月6日、札幌・大和ハウスプレミストドーム
最終節でJ1通算250試合出場
北海道コンサドーレ札幌のFW菅大輝(26)は8日のホーム柏戦(プレド)に出場すればJ1通算250試合出場となる。今季限りの退任が決まっているミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)のラストマッチに、教え込まれた攻撃的サッカーで勝利を捧げる。
一緒にタイトル獲りたかった
「このチームでミシャさんと共にタイトルを獲りたいという思いがあったので、それを達成できなかったことが残念」。菅は名将と共に歩んだ7年間がまもなく終わることにあたり、心境を口にした。
11対11でパスの出しどころを探すFW菅
出場機会が減っていた時にミシャ就任
ペトロヴィッチ監督の下で指導を受けたのはプロ2年目の2018年から。前年はリーグ戦全34試合中23試合に出場して1得点。そのうち先発出場は16試合と数字上はルーキーイヤーとしては上々のものだったが、出場の大半はリーグ前半戦でのものだった。夏場以降は主戦場の左ウイングバック(WB)のポジションを途中加入のDF石川直樹(39、現札幌アカデミーダイレクター)に奪われ、出場機会が減少していた。
直球で投げかけた質問にありがたい言葉が返ってきた
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巻き返しを狙った18年シーズン前の1月に行われた選手お披露目イベントでのことだ。選手たちが就任したペトロヴィッチ監督にそれぞれインタビューするというコーナーが設けられ、登壇した菅は「僕のこと、試合で使ってくれますか?」と、〝ド直球〟の質問を投げかけた。すると「君が今まであまり試合に出ていなかったことが驚きだ」と、当時まだ19歳だった自身を高く評価するような、ありがたい言葉が名将から返ってきた。
2018年1月の選手お披露目イベント「キックオフパーティー」でペトロヴィッチ監督(右)に質問して誉められたFW菅
定位置確保し、成長させてくれた
その言葉通り、リーグ開幕戦となったアウェー広島戦でスタメンに抜擢されると、無尽蔵のスタミナと高い走力、強烈な左足を武器に、一気に左WBの定位置を確保。同年のリーグ戦出場数を33試合(うち先発32試合)にまで伸ばした。
以降も毎年コンスタントに30試合前後の出場数を積み重ね、今季は前節の先発出場でJ1通算249試合まで到達。「ミシャ監督がいなかったら、この記録というのは達成できていないと思う。本当に人としても、選手としても成長させてくれた人」と、強い感謝の念を抱いている。
ボール回しをするFW菅(左)
最後まで攻撃的サッカーを貫く
自身のメモリアルマッチで、「ミシャ監督のスタイルである攻撃的サッカーを貫き通して、最終戦を勝ちで終われるようにやり抜きたい」。サッカー人生を大きく切り開いてくれた指揮官に、背番号4が最後の白星をプレゼントする。
