ファイターズ
古川裕大 「自分って必要なのかな…」悩む日々乗り越え決意「全ポジション練習する」
一時は捕手をやめる覚悟も
どうすれば、チームに必要とされる選手になれるのか―。日本ハムの古川裕大捕手(26)は来季、投手を除く全ポジションに挑戦する決意を固めている。戦力状況を鑑み、一時は捕手を完全にやめることも考えたが、マスクをかぶれるユーティリティー性は大きな武器だと思い直した。内外野を含めた〝八刀流〟で、熾烈なサバイバルを勝ち抜くつもりだ。
プロ4年目の今季は、悩み苦しんだ1年だった。1軍出場は1試合のみで、安打は0。春季キャンプから2軍生活が続き、バットを振っても振っても思うような結果が出ない。4月14日のオイシックス戦から、8月24日のDeNA戦で2安打するまで約4カ月、複数安打がなかった。「苦しかったというか、上(1軍)に上がれる要素が自分の中で見つからなかったので、途中、気持ちも切れかけていました。特に7月はもう本当に、気持ち的にも沈んでいました」
上武大の後輩・進藤が加わり、田宮がブレーク
今季のチームには、大学ナンバーワン捕手の呼び声高かった同じ上武大出身の進藤が加入。開幕から田宮がブレークし、百戦錬磨の伏見、打撃力に定評があり第3捕手を兼ねるマルティネスと郡司もいた。「自分って必要なのかな、必要ないんじゃないかなみたいなことも思いましたし、いろんな感情がありました」と胸の内を明かす。
7月も終盤に差し掛かるころ、頭の中には「戦力外」の文字が浮かんでいた。「このままクビになったら後悔する」。8月に入ると「自分の中で気持ちが切り替わった。何が理由でそうなったかは分からないですけど、このままじゃダメだ、後悔しないようにやりたいと思った。そこから変わりましたね」。9月8日の巨人戦で1試合2本塁打の活躍を見せると、同28日のソフトバンク戦で今季1軍初出場。安打は出なかったが「8月から打撃の感触は良い」と一定の手応えを感じている。