Wリーグ・日立ハイテクの森岡ほのかが地元・北海道でのトヨタ紡織戦で同点弾&ブザービート演出
■Wリーグ第15節(12月7日、リクルートスタッフィング リック&スー旭川体育館)
▽日立ハイテク71-69トヨタ紡織
最大12点差からの劇的逆転
札幌出身のプロ2年目、日立ハイテククーガーズのPG森岡ほのか(20)が残り32秒で同点ゴール、さらに同2秒で決勝アシストを記録し、最大12点差からの劇的逆転で6試合ぶりの今季2勝目に大きく貢献した。22年、23年に世代別代表にも選ばれた期待の星は、次の目標をA代表と4年後のロサンゼルス五輪に照準を定めた。
幕切れに左腕を突き上げて喜び
途中出場の森岡が試合の流れを変え、勝利を引き寄せた。同点で迎えた残り5秒。ピック&ロールで相手DFを剝がしてゴールへ向かうアタックに相手DF2人がカバーに行くと、それをあざ笑うかのように右サイドでフリーのCダラーメマレムドイ(27)へラストパス。劇的ブザービーターが決まった幕切れには左腕を突き上げて喜んだ。
20歳になっての初勝利
森岡は5ゴール4アシスト、2リバウンドをマーク。「前半は相手のペースに持っていかれたり、我慢しなきゃいけないことがチーム全体にあって、その中でもみんなでディフェンスとリバウンドを頑張って、最後自分たちの流れに持ってこれたので、すごく良いゲームだった」。11月18日に20歳になってからの初勝利に、ヒーローインタビューでは笑顔があふれた。
緊迫フリースローも落ち着いて決めた
直前の森岡自身の同点プレーがなければ、今季2勝目は持ち越しだったかもしれない。3点ビハインドの残り32秒。ゴール正面で、ピック&ロールからフリーになると左から切れ込んでゴールを決め1点差。同時にファウルももらって得た緊迫のフリースローも落ち着いて決めた。「こういう場面が自分を強くさせてくれる。ここで負けても挑戦したからしょうがないぐらいの気持ちでやりました」。その直後に生まれた値千金の決勝アシスト。「前のプレーもうまくいっていたので、もう一回、同じことをやればディフェンスも絶対寄ってくると思った」。確信のプレーで1カ月振りの白星をたぐり寄せた。
2年ぶりに北海道での公式戦「すごい恋しくなった」
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北海道での公式戦は、札幌山の手高3年時の1月に札幌・北海きたえーるで行われたリーグ戦にアーリーエントリーでデビューした時以来、ほぼ2年ぶり。この日のコートサイドには両親の姿もあった。「札幌から来たよって言ってくれる人もすごく多くて、本当に北海道の温かさを感じます。やっぱり雪があったら北海道に来たなって感じますし、ホテルのご飯も美味しくて、北海道がすごい恋しくなったので、もっといたいな」と、少し名残惜しそうだ。
諦めるなって背中を押してくれた
チームは2勝13敗で8チーム中最下位と苦戦。7位のトヨタ紡織とはまだ3勝差ある。「Wリーグが開幕して、接戦で負けてしまう試合が多く、勝ち切れないところが課題だった。1点が欲しい展開では絶対自分で行く強い気持ちを持ってやろうと思って最後コートに入ったので、それがしっかり形に現れて良かった。流れが悪い時もハイテクコールをしてくれたり、諦めるなって背中を押してくれるような応援がたくさんあって、そのおかげで今日は勝てたと思いますし、明日も皆さんのエールをお借りして、しっかり勝ち切りたい」と、今季初の連勝を狙う。
SGは大変だけど、すごく楽しい
札幌山の手高時代は1年冬から主将でPGを務めたが、日立ハイテクでは主にSGでプレーする。「1番(PG)をやっている時は試合の展開を読んでプレーしたり、2番(SG)で出ている時はしっかりゴールにアタックして得点に絡みに行ったり、やるべきことは変わるけど、チームをもっと勢いづけられるようにやっているので、すごい学ぶことも多いので大変だけど、すごく楽しい」。オールラウンダーとしてさらなる成長につなげる。
札幌山の手OGと来年ホットライン
4年ぶりにホットラインの再結成だ。コロナ禍の中で開催された20年のウインターカップでは、1年生の司令塔として当時3年のC舘山萌菜(白鷗大4年)と主力として9年ぶりに4強入りした。その舘山が来年1月から日立ハイテクへアーリーエントリーでの加入が決まった。「一緒に頑張ります」と今から合流が待ち遠しい。
「次はA代表に入りたい」
これまでは22年にU18W杯、23年はU19W杯に出場するなど世代別代表は経験済み。この日に対戦相手だったトヨタ紡織には、札幌山の手高の先輩で2大会連続五輪に出場中の東藤なな子(24)が所属。ほかにも両チームに多くの同校OGがプレーしている。その中で最年少の森岡は「世代別の代表を経て、次はA代表に入りたい思いも強くある。山の手の先輩たちみたく泥臭く頑張ったり、粘り強くプレーすることが代表への道につながってくる。現状に満足せず、自分のやるべきことをしっかりやっていきたい」。日の丸を背負う日を思い描きながら、二十歳の挑戦は続く。