札幌MF荒野拓馬主将がミシャとの最終戦へ「応援したくなる心を打つような試合を」
■12月7日、札幌・大和ハウスプレミストドーム
ミシャとサポーターへ勝利で示す
北海道コンサドーレ札幌は今季最終戦となる8日のホーム柏戦(プレド、午後2時キックオフ)に向け、11対11やセットプレーなどで最終調整を実施した。9シーズンぶりにJ2降格という悔しい年となった2024年。今季からチームキャプテンに就任したMF荒野拓馬(31)が、この試合で退任するミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)、最後まで支えてくれたサポーターへの感謝の気持ちを勝利で示す。
今季序盤からチームが低迷
今年2月24日、福岡の地からスタートした今季のリーグ戦。前年までクラブ史上最長の8シーズンに渡ってキャプテンを務めてきたMF宮澤裕樹(35)に代わり、新キャプテンとしてチームの先頭に立って戦ってきた荒野だったが、負傷者の続出などもあって、序盤戦からチームは低迷した。
自分たちが招いたこと
第2節のアウェー鳥栖戦(0●4)での大敗以降は、一度も降格圏から抜け出すことができず。先月30日には、翌日にアウェー広島戦を控える中で他会場の試合結果を受けてJ2降格が決定した。「悔しい気持ちだし残念だと思うけど、自分たちが招いたことなので、受け止めるしかない」と、キャプテン1年目に味わった降格という結果に悔しさをにじませた。
「ミシャサッカーで勝ちたい」
だが、その悔しい気持ちを引きずることなく、「これを受け止めて、はい上がる」と力強く来季の逆襲を宣言。8日の柏戦に向けても、「ホームで勝って終われるように、みんなで力を合わせて、ミシャサッカーで勝ちたい」と、必勝態勢で挑む構えだ。
僕の人生を大きく変えた人 心に響いた言葉は…
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柏戦での勝利という結果で、感謝を伝えたい人々がいる。その1人が、18年からの7シーズンに渡って指導を受けてきたペトロヴィッチ監督だ。「僕のサッカー人生を大きく変えた人。息子のようにかわいがってもらった」という指揮官からは、「サッカー面ではミスを恐れず、どんなときも攻撃的にサッカーをするということを。プライベートでも一緒に食事した際に、毎日サッカーができる喜び、そしてそれを感じながらプレーするという話をしてもらった。『うまく行かないときに、その人間としての質が問われる』という言葉もすごく響いた」と、ピッチ内外でさまざまな教えを受けた。
「その監督を残留させられなかったこと、ここで一緒に仕事ができなくなるということに、さみしい気持ちがある」。あと1試合を残すのみとなったミシャとの時間。最後の90分間だけでもハッピーエンドで終えたいところだ。
サポーターから叱咤激励も
そして、サポーターに対する強い思いも抱いている。前節アウェー広島戦ではJ2降格決定直後にもかかわらず、約1400人の観衆が駆けつけて変わらぬ熱い応援を送った。だが結果は5失点大敗。試合後のあいさつの際、ゴール裏のサポーターからは叱咤激励の声が飛んだ。
その声に対する〝答え〟
あれから1週間。その声に対する〝答え〟を、ホーム最終戦のピッチで披露したいところ。「心から応援してくれるサポーターのためにも頑張りたい。応援したくなるような、心を打つような試合ができるよう、感謝の気持ちを持ってピッチに入ってプレーしたい」。来季の反撃への機運を高めるため、共に歩んできたサポーターの前で背番号27が中心となって全力で戦う姿勢を示し、24年シーズンを白星で締めくくってみせる。