コンサドーレ
2024/12/09 00:10

札幌ペトロヴィッチ監督ラストゲーム 教え子たちが「7年間の積み重ね」で生んだゴールで白星締め

最終戦セレモニー後、ピッチ上で行われた集合写真に収まるペトロヴィッチ監督(中央)ら札幌イレブン=撮影・小田岳史

■J1第38節 札幌1-0柏(12月8日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)

札幌でのJ1リーグ通算82勝目

 7年間に渡って北海道コンサドーレ札幌を率いてきたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)のラストマッチとなったホーム柏戦。札幌は開始早々の前半5分に生まれたMF近藤友喜(23)の先制ゴールで逃げ切り1-0で勝利した。札幌でのリーグ戦246試合目の指揮を執った名将に、教え子たちが通算82勝目(67分97敗)となる白星をプレゼントした。

多くの人の思いに応えたという感情に

 2018年1月12日に行われた監督就任会見から2522日。柏との戦いの終了を告げるホイッスルがプレド場内に鳴り響き、ペトロヴィッチ監督と札幌との長い旅路が終わりのときを迎えた。「過去にいつだったか思い出せないくらい、試合の後はすごくさわやかな気持ちになった。多くの人たちの思いに応えられたという、そういう感情が芽生えた」と、指揮官は試合終了の瞬間の心境を振り返った。

1本の縦パスから3人が絡んで先制

 7年前の就任直後から、札幌の選手たちに教え込んできた攻撃的サッカー。そのスタイルは、最後の試合でも十分に発揮された。前半5分、右サイドのハーフウエーライン付近でボールを受けた〝ミシャサッカーの申し子〟MF駒井善成(32)が前線のMF浅野雄也(27)へくさびのパスを入れると、浅野はワンタッチで、走り込んできたFW鈴木武蔵(30)へとヒールパス。鈴木が内側方向へとドリブルして相手DFを引きつけると、その動きで空いたスペースへ走り込んだ近藤に、ラストパスを出して勝負あり。複数の選手が連動して相手守備網を崩すという、ミシャサッカーの土台とも言える攻撃連係で、ミシャ体制ラストゴールを生み出した。

前半5分、相手GKをかわし先制点を決めるMF近藤(右)=撮影・舘山国敏

 

最後までやり続けた攻撃的サッカー

 冷静にGKの動きを見極めてドリブルで交わし、無人のゴールへと流し込んだ近藤が「4人の意思疎通が取れた場面だったと思う。4人でいい形でできたので、ミシャの下でやってきたことが出せた得点だった」と、指揮官の指導のたまものだと感謝を口にすれば、その指揮官もまた「この7年間、我々がずっとやり続けてきた攻撃的なサッカーの一部が、今日も得点という形で生まれたことは、我々がやってきた積み重ねだ」と、教え子たちが自身のサッカースタイルを体現してくれたことを喜んだ。

永遠にかなわない夢物語が現実に 札幌に自信をもたらした

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