巨人移籍の田中瑛斗 鉄腕・宮西からの長文エールに感謝「クソほど…」
前日の現役ドラフトで決定 球界の盟主へ
現役ドラフトで巨人への移籍が決まった田中瑛斗投手(25)が10日、千葉・鎌ケ谷で自主トレを行った。
高卒で入団し、7シーズンを過ごしたチームを離れる。それでも右腕は前向きに「寂しいですけど、ポジティブに捉えています。頑張りたいです」と新天地での活躍を期した。
想定内の〝指名〟 「覚悟はしていました」
前日9日は今年が第1回の開催となった「プロ野球12球団対抗ゴルフ」に参加していた。
終了間際に電話が鳴り「きょう(9日)が現役ドラフトというのは知っていたので、もしかしてあるんじゃないかな?という気持ちではいた。電話が来たので、覚悟はしていました」と事実を冷静に受け止めた。
プロ野球人生の転機 「ジャイアンツで一花」
これまでプロ通算1勝。けがや育成契約も経験し、理想通りの結果は残せなかった。環境の変化は、飛躍の好機だ。
「ファイターズにいて7年間、こういう結果。ファイターズのファンの方々には、入団当初から期待してもらいながら、結果を出せなかったのは申し訳ない。今年のようなAクラスに入ったチーム状況の中に加わりたかった部分が一番、強かった。複雑ではありますけど、リーグは違うので新しいところで活躍してる姿を見せることが、一番の恩返しになる。僕はポジティブなので、今はジャイアンツで一花咲かせたいなという気持ちです。もちろんチャンスだと思っていますし、必要とされているということなんで、そこはうれしく思います。ファイターズに感謝しながら、結果で恩返ししていきたい」と力を込める。
イケメン右腕が胸に秘める野球を続ける意義
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野球がしたくてもできない仲間をたくさん見てきた。だからこそ、移籍に負の感情は一切ない。
「野球ができない選手がいる中で、他球団に移籍するからってネガティブになっていたら、それこそ失礼。僕は(今季限りで戦力外となった)柿木とか、福田光輝さんとか、めっちゃ良くしてもらった先輩、後輩の姿を見ている。そういう人たちに対しても恩返しがしたい。光輝さんは、ロッテから移籍してきてすぐ、僕をかわいがってくれた。僕が逆の立場だったら、なかなかできない。そういうところはまねしたいなと思います。僕はプロに入ってから毎年のように、オフシーズンに病院の慰問もしている。野球がやりたくても生まれつきできない人がいる。そういった子たちにも、ずっと応援し続けてもらえる選手でいたいし、その子たちの代わりにという思いもある。いろんな理由で野球ができない人がいますけど、そういったすべての人の気持ちを背負ってやりたい。この気持ちは忘れないようにしたい」。ユニホームは変わっても、胸に秘める思いはいつまでも変わらない。
レジェンド左腕から届いた激アツな返信
移籍が決まってすぐ、これまでお世話になった人たちと連絡を取った。チーム最年長の宮西からは、長文の激励文が返ってきたという。
「まず電話したんですけど、出られなかったので、僕が文で送ったら、それに対して長文で返してくれて、すごいうれしかったです。全部、刺さったんですけど、一番はなんか宮さんらしく、『クソほど応援してるから』っていう言葉ですね。宮さんがファームに来ることがここ数年あって、お世話になりました、みたいな感じのことを言ったら、『応援してるから、なんでも困ったことがあった時は連絡してこい。楽しませてやるから。飯、連れてってやる』みたいな感じで言ってくれました」
同期組や同学年にも報告 清宮フレンズも
ファンフェスでの踊りが名物になっている「清宮フレンズ」のメンバーにも報告を済ませた。
「同期と同級生のLINEグループがあるので、そこにジャイアンツに移籍することになりました、と。みんな去年も長谷川で経験していることなので、またか、みたいな感じで。お互い会えなくなるわけじゃないし、同期、同級生は一生なので。僕は大事にしたいなと思っています。別のチームに行って会えなくなったからって、連絡が途絶えることはないようにしたいですね」
来季からは好敵手 誓った交流戦&日本シリーズでの再会
同期で同学年の清宮幸とは親交も深く、「幸太郎とは1年目からずっと一緒にいたので寂しいですけど、お互い1軍で交流戦、日本シリーズで戦いながら会うのが一番ベストですね」と晴れ舞台での再会を誓った。
新天地での活躍こそが恩返し
この日は鎌ケ谷で練習後、丁寧にファンサービスも行った。
「(2軍施設のある)鎌ケ谷での生活が長かったですけど、ファンの方々は本当に熱くて、毎日のように来てくれた。僕がどんな状況の時でも暖かい声援をかけてくれた」と感謝し、「札幌、北海道のファン、全国のファンの皆さんも含めてですけど、ジャイアンツの僕もちょっと応援してほしいなという気持ちですね」と笑顔を見せた。
来年は正真正銘、勝負の1年になる。東京ドームを主戦場に、サポートを受けた全ての人たちへ大活躍を届けてみせる。