ミシャとの7年間をクラブの糧にしてほしい 退団する菅からの電話で伝えた言葉《河合CRC竜の眼》

悔しい結果に終わった今シーズン
先月30日に行われた試合結果を受けて、北海道コンサドーレ札幌のJ2降格が決定した。今シーズンのスタート時に思い描いていた順位ではないので、選手たちにとっても非常に悔しい結果であるだろうし、フロントスタッフの1人としても悔しく思っている。
最終戦の決勝点は連係が見事だった
今季最終戦となった12月8日のホーム柏戦(1〇0)は、降格決定後という非常に難しい中で迎えた一戦となったが、最後の最後で勝利することができ、チームとして意地を見せることができたのではないだろうか。
前半5分に生まれたMF近藤の先制ゴールが決勝点となったが、本当に素晴らしい連係から生まれた得点だった。起点となったのが、MF駒井がMF浅野に入れた縦パス。ここ最近、パスの最初の選択肢として縦に入れるという場面がなかなか見られなかったが、この日はこのシーンも含め、ファーストチョイスとして縦方向を選んでいる選手が多く、非常に魅力あるサッカーを行うことができていたと感じた。
浅野のヒールパスは近藤に落としたものかもしれないが、そのボールを拾ったFW鈴木のスペースを生み出すプレーも良く、ミシャさんのサッカーらしいゴールだったし、ミシャさんのラストゲームで勝利できたことは、監督の下でプレーしたOBの1人として、本当にホッとしている。
歴史をつくってくれたミシャの退任
柏戦をもって、ミシャさんが7年間務めた札幌の監督を退任することとなった。コンサドーレというクラブの歴史をつくってくれた監督だと思っているし、私も一緒にプレーすることができたことを光栄に感じている。札幌を去るのは純粋に寂しいし、タイトルを獲得してミシャさんにトロフィーを掲げてもらいたかったという心残りもある。
一緒にプレーできたのは、私の現役ラストシーズンとなった2018年の1年間のみだったが、指導を受けて改めて「サッカーって楽しいんだな、楽しむべきものなんだな」という感情を思い出させてくれた。このクラブに魅力的なサッカーを落とし込んでくれ、久々にボールを持つことにワクワクするような感覚を味わえたことを今でも覚えている。私だけでなく、札幌の選手たち全員にフットボールに対しての価値観を上げてくれた人だったのではないだろうか。
私が引退してからはクラブスタッフとして接することとなったが、ファミリーを大切にされる方なので、立場が変わったからといって態度を変えることは全くなかったし、私以外のスタッフにも一人一人、親身に接してくれていた。
7年間の経験を次への成長につなげて
この7年間の経験をクラブとしては絶対に今後への糧にしなければいけない。サッカーの面では、ミシャさんが繰り広げたような魅力的で攻撃的なサッカーをしていかなければいけないと思っている。それに新監督がプラスして肉付けをしてくれると思うので、指導にしっかりと応えて体現していってほしい。
フロントスタッフも来季はJ2で戦うという苦しい状況ではあるが、J1に8年ほど居続けた中で正直なぁなぁになっていた部分もあると思うので、その反省を踏まえてより厳しく自分たちを律し、成長していかなければいけない。
4選手の契約満了 菅は衝撃的だった
今月7日には駒井、FW菅、GK阿波加、MF小林の4選手の契約満了に伴う退団が発表された。この中で私が最も衝撃的だったのは菅だった。小学4年生から札幌のアカデミーでプレーし、最終戦ではJ1通算250試合出場を達成。日本代表にも選ばれた経験を持つなど、クラブを象徴するような存在だった。私が付けていた背番号4を受け継いだということもあるし、個人的にもかわいがっていたので私自身もすごくショックを受けた。