伊藤大海 スポーツ人口減に危機感 「僕が出向いて思いを直接、伝えたい」
チャリティーイベントにゲスト出演
日本ハムの伊藤大海投手(27)が15日、安平町で開催されたチャリティーイベント「あびらスポーツフェス」にゲスト参加した。
地域の子どもたちと卓球やバスケットボール、バレーボールに興じるなど、さまざまなスポーツを体験。時には鮮やかなシュートや強烈なスパイクを決め、トップアスリートの身体能力を披露した。その後はトークショーにパネリストとして登壇。地域スポーツの現状と課題に触れた。
減り続ける中学校の部活動数
胸に抱く危機感が、行動につながった。少子化による影響でスポーツの競技人口減少に歯止めがかからず、道内中学校の部活動数は2015年に比べて、600以上減少している。
募る危機感 「大人がアプローチすることが大事」
現状を確認した伊藤は「次にプロを目指す選手がいないとアスリートは成り立たない。人口が減ってきている中で、子どもたちがスポーツに少しでも触れ合うためには、大人がアプローチすることが大事。その取り組みを広める活動がしたい」と力を込めた。
未来に先送りしない。スポーツ界が抱えるテーマと真剣に向き合う町の熱意に、ファイターズのエースが賛同した。
部活動の地域移行を本格化させている安平町
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
伊藤が訪れた安平町は、文部科学省が推進する「部活動の地域移行」を本格化させており、2025年度に部活動を廃止することを決定済み。先進的な取り組みで全道各地、道外からも注目を集める自治体だ。
マルチスポーツを推奨する「アビー スポーツクラブ」
2018年の胆振東部地震をきっかけに発足した同町のNPO法人「アビー スポーツクラブ」は、マルチスポーツと呼ばれる取り組みを推奨。課題解決のモデルケースとなり得るユニークなアイデアで、子どもたちのスポーツ環境を整えている。
同クラブには現在、町内外の小、中学生約200人が在籍。子どもたちは野球やサッカー、乗馬、アイスホッケーなど全12種目から好きな競技を選択し、プレーに打ち込んでいる。複数の競技に取り組む子もおり、野球やサッカーなど人数を必要とする団体競技も成立できる。
道産子プレーヤーの責務と受け止める
幼い頃に競技と触れ合う子どもがいなくなれば、野球を含めたスポーツの未来はない。球界の発展を願う伊藤は、地域が抱える問題に今後も心を寄せ続ける。
「北海道への愛もある。一人でも何かを感じ取ってくれるように、機会があれば僕が出向いて思いを直接、伝えたい。道産子選手の僕がファイターズにいる意義を示していきたいです」
人口3525人の鹿部町出身。小さな町で育ったヒーローは、北海道のために尽力する。
マルチスポーツ体験プログラムで、伊藤が子どもたちとさまざまなスポーツに汗を流した様子を紹介する。(全12カット)
(以下は野球教室)