福島蓮 新球〝金子式〟チェンジアップで打倒・山川 今季2被弾に「めっちゃ怖かった」
2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で自主トレ
日本ハムの福島蓮投手(21)が16日、鎌ケ谷で自主トレを行い〝打倒・山川穂高〟を誓った。
高卒3年目で開幕前に支配下昇格を勝ち取った今季、プロの洗礼を受けた相手がソフトバンクの主砲だった。
完璧にはじき返された一撃 「野球人生で一番」
ようやく1軍の舞台にたどり着いた若き右腕にとって、衝撃的な被弾だった。10月17日のCS(クライマックス・シリーズ)ファイナルステージ第2戦。5番手でマウンドに上がったが、4点ビハインドの七回、山川にダメ押しの一発を食らった。
「山川さんの目力がすごすぎて、めっちゃ怖かった(笑)。初球の真っすぐ、完全に狙われていましたけど、それにしても今年打たれた中で一番、エグかったホームランでしたね、あれは。やばかったですよ、音といい、弾道といい。野球人生で一番かもしれないです」。味わった〝恐怖〟は鮮明に覚えている。
レギュラーシーズンでもサク越えを献上
実はレギュラーシーズン最後の登板となった8月23日のソフトバンク戦でも、山川から手痛い一発を食らっている。
「なので今、2打席連続で打たれたままなんです。もちろん、早くもう一回、対戦したいです。なんとかリベンジしたいです」。相手はパ・リーグの本塁打キング。高い壁であることは重々承知の上、雪辱の時を今か今かと待ち望んでいる。
新たな武器を習得中 試行錯誤の日々
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同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。今オフは特に、新球チェンジアップの習得に力を入れている。
「チェ(チェンジアップ)は絶対に投げたい。でも、むずいんですよ。カーブはもともとあった球種を良くしようとしているところなので、まだ大丈夫なんですけど、チェはゼロからなので。まだ試合で投げられる手応えではないです。再現性がなくて、同じような球が行かない。全部がバラバラになっちゃう。チェなのに、(直球のように)ビュンって行っちゃったり」と悪戦苦闘中だ。
沢村賞右腕のアドバイスに納得
秋季キャンプ期間中は、チェンジアップの名手・金子コーチに教えを受けた。
「キャンプ中は本当に付きっきりで、いろいろやってくれていたんですよ。金子さんに、思ったよりも後ろで放した方がいいよって教えていただいて、それはいい感じなんです。あとは、『自分がバッターとして立っているのをイメージして投げてみて』と言われましたね。どういう球が来たら嫌か。ちょっとでも何か(普通の球と)違ったら嫌じゃない?って。確かに、って納得しました。バッター目線で考えるのは大事ですね」
意識させるだけでも効果的 「違う結果になったかも」
チェンジアップが持ち球に加われば、対山川の有効な武器になる。
「(今年の対戦でチェンジアップが)あったら、もうちょっと違う結果になったかもしれない。あんなに振られることもないと思う。今年は思いっきりスイングされたので。でも、金子さんがいる場ではいいんですけど、まだまだダメです。良かったり良くなかったり。(春季キャンプまで)あと1カ月以上あるので、たぶん大丈夫。カーブ、フォークだけじゃ厳しいので、試合で使えるように準備したいです」と力を込めた。
チームとともに打倒ソフトバンクへ
決して、変化球で〝逃げる〟つもりはない。「逃げても意味ないです。 逆に、山川さんにまた真っすぐで行くのもあり。どれぐらい良くなったか分かるので。とにかく、打倒ソフトバンクです。僕は特別球が速いわけでもなく、変化球がいいわけでもコントロールが良いわけでもない。今年、経験したことを生かしながら、気持ちでいくしかない。来年は〝メンタル強い感〟を出していきます。本当に強いかは置いておいて(笑)」
狙うは〝鷹キラー〟。まずは加藤、山崎、伊藤、金村らが君臨する先発ローテーションに食い込み、宿敵から白星を量産してみせる。