田中正義のオフ限定連載コラム「正義の胸の内」 第2回は読書家右腕のオススメ本5選
守護神が愛読書を紹介!
日本ハム・田中正義投手(30)の連載コラム『正義の胸の内』第2回は、読書家で知られる右腕が影響を受けた本を紹介します。試合終盤で投げるリリーフというポジションは、チームの勝敗を左右する過酷なポジションです。苦しい時は、ページをめくり、心を奮い立たせてきたといいます。
入り口は名選手の自伝本 ダルの変化球バイブルも
今振り返ってみると、幼少期は本を読まない子どもでした。読み始めたのは、大学生くらいからでしょうか。最初はプロ野球選手の自伝本から入って、小久保(裕紀)さん、岩隈(久志)さん、工藤(公康)さん…。ダルビッシュ(有)さんの変化球バイブルも読んでいました。
本格的に読むようになったのは、プロに入ってからです。ドラフト1位でソフトバンクに入団し、野球が全く思うようにいかない時期が長くありました。そんな時に自分から野球を取ったら何もないのではないかと思い、読むようになりました。
厳選の5タイトルを紹介!
Kindle(キンドル)で電子書籍を購入したり、本屋へ行って良いなと思ったタイトルがあれば買うこともあります。今回のコラムでは、僕がオススメの本を5冊、紹介します。
①本当の勇気は「弱さ」を認めること
(著者)ブレネー・ブラウン
サンマーク出版
〝田中史上〟最高傑作はこれだ!
僕のイチ押し。歴代1位の本です。買うきっかけは忘れてしまいましたが、2年くらい前に見つけて、タイトル買いしました。僕は精神的に強いタイプの人間ではないので、そこにコンプレックスがあり、なんとかごまかして隠し通せないかなと思っていました。
本の中に「勇気を出して闇の中に進む時、はじめて光の無限の力を知る」というフレーズがあります。脆弱(ぜいじゃく)性、誰しもが持っているもろくて弱い部分を認め、前に進むことで光を感じられるんだと教えてくれた本です。
過酷なポジション 救いとなった書籍
僕が担う抑えというポジションは、逆転されてサヨナラ負けしたら、ものすごく苦しい思いをして、チームの士気も下げてしまいます。ファンの皆さんにため息をつかせてしまうかもしれない。どうなるか分からないマウンドに飛び込むことはすごく怖いことですが、立ち向かっていけば、光を知ることができると思えるようになりました。文庫と電子書籍、両方持っていて、シーズン中に読み返すこともあります。
②覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰
(編訳)池田貴将
サンクチュアリ出版
運命の出会い 「ビビッと来て手に取りました」
幕末の思想家、吉田松陰の名言を分かりやすくまとめた本です。これもタイトルでビビッと来て手に取りました。好きなフレーズを1つ紹介します。
心の支えとなっている一文
「鉄は何度も熱い火の中に入れられて、何度も固い金づちで叩かれて初めて名剣に仕上がります。素晴らしい人生の送り方もよく似ています。何度も繰り返される極めて不都合でありがたくない経験の数々が旅路を美しく輝かせてくれるのです」
うまく行かない時、苦しい時にこれは名剣になるための試練なのだと自分に言い聞かせて頑張っています。
③どう生きるか つらかったときの話をしよう
(著者)野口聡一
アスコム