《ハム番24時》12月17日
広島に移籍が決まった鈴木が頼りにしたのは、同期入団で広島出身の梅林だった。縁もゆかりもない新天地で、何も分からず不安だった下手投げ右腕に代わり、気心知れた女房役が家探し、引っ越しの手配、車の準備など、多くの仕事をこなしてくれたという。
鈴木は「今はやっと落ち着きましたね。いろいろ不安もあったんですけど、梅林がいろいろ動いてくれて。梅林が広島の人の知り合いに連絡してくれたりとか、家はどこら辺だとか、どういうシステムだとか、結構動いてくれて。5年間で一番良い働きをしてくれました(笑)。まあ今回ちょっとお世話になったけど、これまでの蓄積があるので、ようやくこれでフラットになったぐらいです」と、冗談交じりに感謝していた。
梅林にとっては、鈴木から頼られるのは想定内だったそうで「家どうしたら良いかとか、聞かれるだろうと思っていたので、何となく、僕の周辺の人に言っておいたんですよ。広島に同期が行くからって。広島のトレーニングジムの人に連絡したら、すぐに野間さんにつないでくれて、野間さんがいろいろ手配してくれたりしました」と、見事なアシストを決めたという。
ただ、梅林には心配事がある。「さっきストレッチしながら、何個か出されている物件の話をしていたんですけど、(鈴木が)地名の漢字、全部読み間違えてました(笑)。東京にしらとり(白鳥)という地区があるんですよ、確か。広島に、はくしま(白島)ってあるんですよ。鳥と島で山の部分と点々の部分が違う。『しらとりって、どう?』みたいに聞かれて、しらとりってどこ? みたいな。それは、はくしまだよと。それを1回目に言って、『あ、はくしまか』と。それで違う地域を言った後、また『しらとりがさあ』と言ってくるんですよ。あいつバカなんですよ。本当に。同じ事を…」と嘆いていた。
また、不満も溜まっているようで「今までありがとうとか、全くない。家しか聞いてこないんです。『どこ住んだらいい? ここからマツダスタジアムまで何分?』ってそれしか聞いてこない。あと、『(広島弁の)じゃけを使うな』って言うんですよ。あいつは〝じゃけ〟にビビっている(笑)。そんなんじゃ、広島で生活できないですよ。今から、そこに行くわけじゃないですか。広島のコーチの方とちょっと話したことあるんですけど、広島弁すごいんですよ。ワシがこうじゃけえ、ああだろうが、みたいな感じなので。あいつ、生きていけるのか、心配です」とまくしたてた。
同学年右腕にも、反論がある。「梅(梅林)、もう関東に出てきて5年もたっているのに、まだじゃけじゃけ言っているんですよ。全然標準語に寄せないで、じゃけじゃけ言っている。あと、あいつ、僕が同級生のLINEグループで『カープ行く』って言ったんですけど、あいつだけ連絡くれなかった。(伊藤)大海とか(現球団職員の)片岡とかは、寂しくなるわって、個人でも連絡してくれた。あいつはグループで、『あ、マジ』みたいなのだけだったんですよ」。2人から言い分を聞いた記者には、仲の良さだけがひしひしと伝わってきた。
梅林は来季以降の鈴木との初対戦を見据え、「投げそうな球はなんとなく分かるので、むしろ(打席に)立ちたいなと思います。(顔付近を指しながら)ここだけ、真っすぐの顔(付近)だけ気をつけて。あとは踏み込んで打ちにいきたい」と意気込んだ。交流戦や日本シリーズでの〝スズウメ対決〟が、今からとっても楽しみだ。