72年札幌冬季五輪スピードスケート会場が約6億円の改修工事を終えて5季ぶりに営業開始
セレモニーにオリンピアンたちが参加
約6億円をかけて改修工事をした札幌・真駒内セキスイハイムスタジアムスケートリンクが20日、5シーズンぶりに冬季営業を開始した。営業は来年2月16日まで。オープニングセレモニーには、2010年バンクーバー五輪女子団体パシュート銀メダルのメンバー・穂積雅子さん(38)、18年平昌、22年北京五輪の女子短距離代表・郷亜里砂さん(37)、84年サラエボ五輪の短距離代表・鈴木靖さん(62)が出席した。リンク内側にあったテニスコートは、全天候型コート4面とスケートボード場として来春オープンする。
将来的には国スポや中体連の開催も
札幌唯一の外周400メートルリンクに約5年ぶりに子供たちの歓声が帰ってきた。氷を冷やす冷却設備の老朽化で2020年1月を最後に冬季営業を休止していたが、23年6月から37年ぶり2度目の大規模改修を経て、今年3月に工事を終了。来年2月には小学4年生から6年生が対象の全日本ノービス競技会を予定し、記録会なども行われる。
袴田丈晴館長(61)は「全日本選手権や大人の大会になると、今のコーナーマットではちょっと対応しきれないので、新しいものに購入してくださいと、北海道の方に要望しております」と話し、まだ改善箇所は残るものの今季の一般利用者は営業する約2カ月で5000人を目指している。北海道スケート連盟関係者によると、将来的には国スポや中体連の開催も視野に入れている。
オリンピアンたちも当時を回想
オリンピアンが華麗な滑りでリニューアルオープンに花を添えた。日本女子スピードスケート史上初の銀メダルに輝いた穂積さんは現在、地元・千歳市の議会事務局に勤務する。「私が小中高と選手の頃からお世話になっていたところだったので、久しぶりに滑ることができてすごいうれしかった。北海道の子たちは身近にスケートリンクで滑られる機会があると思うので、ぜひ冬の短いシーズン、スケートリンクに来て、たくさん滑って遊んでもらいたい」と呼びかけた。
たくさん滑って楽しさ知ってほしい
別海町出身の郷さんは、男子のW杯日本代表・山田将也(28)が所属するウェルネットで広報などを担当。「このスケートリンクに来て、リンクに上がった時に、すごい懐かしいなっていう感じがあって。たぶん高校生以来だと思うんですよね。真駒内選抜で滑った記憶があるので、それ以来ですかね。やっぱり外のリンクで久しぶりに滑ると、懐かしい感じもして、楽しかったです。きょうのオープンをきっかけに、スケートの楽しさをたくさん滑って知ってもらって、またスピードスケートやりたいなって思う子たちが増えてくれたらうれしいな」と期待を込めた。