札幌発の男女4人組バンド・メリクレット 2025年は「勝負の1年にしたい」
今年4月の初ワンマンがチケット完売
飛躍の年にする―。札幌を拠点に活動する男女4人組のロックバンド・メリクレット。2019年に結成し、3年ほど前からボーカル&ギターのちぺ、ギターのレニア、ベースの斗輝、ドラムのMegの現体制となって活動を進めている。TikTokなどのSNSを活用し、徐々に知名度を向上させている。今年4月に札幌・Vypass.で行った初のワンマンライブはチケットがソールドアウトし、大成功を収めた。
SNSきっかけで軌道に
メリクレットはそれぞれ働きながら音楽活動に打ち込んでいる。不要不急な活動が制限される未曾有のパンデミックの中では思うような音楽活動ができない時期もあったが、「Megと変な動画を撮った記憶があります。それでTikTokを始めよう」(レニア)とSNSの動画再生をきっかけに、バンドとしてレールに乗り始めた。公式Xには「2分でわかるメリクレット」とライブ映像をまとめた動画を固定ポスト。バンドへの入口を広げるなど、工夫を凝らしている。
それぞれ違った道から一つのバンドへ
多種多様の音楽遍歴も魅力かもしれない。Little Glee Monsterに大きく影響を受けていたちぺは、学生時代にバンド活動と並行してアカペラ部も兼部。「耳コピしてそれぞれ違う旋律を自分で多重録音したり、アカペラ部で歌の練習をしました」と高い歌唱力の礎を築いた。レニアは「ボカロ生まれボカロ育ち」とボーカロイドに曲作りのきっかけがあった。RADWIMPS好きの斗輝は「人目に触れる機会が増えたので、場数を踏んだりして成長の年にしたいです」と演奏力の向上を目標に掲げ、両親がバンドマンだったことからドラムを始めたMegは、野球好きということもあり「選手の登場曲に使ってもらうのが人生の夢です」と目を輝かせる。
ライブの成功が確かな経験に
そして、今年は初のワンマンライブを成功させた。「楽しかったです。あんなに曲数をやったのも初めてで、すごくいい経験になりました」(レニア)と、一つの土台が形成された。ちぺは「札幌で集客するのは大変だし、自分たちメインで来てくれるお客さんがどれぐらいいるのか?」と不安も抱いていたが、結果はチケット完売。「自分たちでも長い尺のライブがこんな感じなんだというのも分かりました」と確かな経験値となった。
来年2月には大阪での公演も
25年はステップアップの年とする。来年2月にはバンドとして初となる大阪遠征が決まっており、ライブの数は確実に増えるはずだ。ライブが制限なく開催できるようになった今こそ、さらなる可能性が広がっている。Megが「今までをステップとして、さらに上に行ければ」と話すと、レニアは「JOIN ALIVEとかRISING SUN ROCK FESTIVALにも出たい」と呼応した。斗輝も「Zepp Sapporoはやってみたい」といった大きなライブハウスでの演奏を目標に掲げる。ちぺは「勝負の1年にしたい」とキッパリ。これからメリクレットが歩む道のりに要注目だ。
■メンバー4人のオススメ楽曲
・ちぺ
葵月だって泡沫
「バンドで自分が初めて作曲にチャレンジした曲なので、思い入れがあります」
・レニア
Lupinus
「自分のパーソナルなことを歌詞にした曲で、音楽を辞めようと思って作った曲でした」
・斗輝
by yθur side
「もうちょっと聴かれてほしいなと思う1曲です」
・Meg
終末のロンド
「盛り上がりは多分一番。演奏していて楽器隊が愉しさを感じる曲です」