広島1年目の道産子左腕・滝田一希が「開幕1軍と最低5勝」目標に 西武入団の後輩・佐藤へエールも
広島の道産子左腕・滝田(右)と西武入りする星槎道都大の佐藤=撮影・西川薫
星槎道都大で佐藤の激励会に出席
黒松内町出身で今季、ルーキーでプロ初登板初勝利を挙げた広島の153キロ左腕・滝田一希投手(22)が20日、出身校の星槎道都大で行われた、育成4位で西武入りする佐藤爽投手(21)の激励会に出席した。来季は開幕1軍スタートとシーズン5勝を目標に掲げた。
交流戦でいつか投げ合える日を
この日に帰省し、まっすぐ会場入りした。在学中の3年間、同じ投手陣としてチームを支えた佐藤へ「プロ野球はすごくストレスがかかるので、覚悟して行った方がいい。しんどいこともいっぱいあるし、ヤジられることもあります。精神的にくる部分があるけど、応援してくれる人はすごくいるので、そういう人方を大切にしながら、自分の良いところをアピールしていってほしい。リーグは違うけど、交流戦でいつか投げ合える日を、僕も頑張りますので、一緒に頑張っていきましょう」とエールを送った。
広島・野村の引退試合で初登板初勝利
最高の舞台でプロ初登板のマウンドを迎えた。10月5日ヤクルト戦で1軍再昇格を果たすと、この日引退試合だった野村祐輔投手(35)の後を受け、二回から本拠地・マツダスタジアムのマウンドに上がった。観客は3万人超え。「360度、全部赤くて、わっ、すごいな。初登板でこんなのいいのかな」と面を食らったが、4回1失点で初勝利。それでも「1年通してみたら全然。即戦力で取っていただいたのに、全然1軍で投げられなかったのはすごく悔しかった。9月に失速した時に1軍に上がれなかったのは力不足」と唇をかんだ。
10月5日ヤクルト戦、二回から登板し4回1失点で初勝利を挙げた広島・滝田
キャンプは1軍でスタートしたものの
今年の春季キャンプは宮崎・日南で1軍スタート。「最初、テレビで見ていた人たちの中で一緒にやってるので、大丈夫かなってすごい不安があったけど、先輩方がいろいろ優しく教えてくれた」。3月のオープン戦では大学時代にアルバイトしていた北広島・エスコンフィールドでの日本ハム戦で登板する機会もあったが、結果を残せずに開幕は2軍で迎えた。
環境の変化で体重5キロ減「自分が思い描いていたような…」
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広島での生活は、まずは気候に慣れることから。「もう環境がガラッと変わったので、そこが一番ついていくのがすごいしんどかった。気候も全然違うんで、体重が減るのが早くて、自分が思い描いていたような感じではなかった」。なかでも山口・由宇の2軍練習場は過酷だったそうで、「どこに行っても日が当たる場所なので、40度で蒸し蒸ししてて、きつかった」。87キロあった体重は一時82キロまで落ちたが、食事量で補いながら戻していった。
道産子トリオで切磋琢磨しながら
チームには同じ年で旭川大学高(現・旭川志峯)から入団した5年目の持丸泰輝捕手(23)、22年に苫小牧中央高からドラフト1位で入団した斉藤優汰投手(20)が所属。なかでも斉藤とは「寮で毎日会ってます。具合悪いぐらい会ってます(笑)。斉藤とはご飯によく行くことがあるけど、持丸は野手なのであまりないけど、めちゃくちゃ3人は仲が良いので」。道産子トリオで切磋琢磨しながら、遠い広島の地で奮闘している。
オフシーズンをうまく使わないと
2年目のジンクス打破へ、初めてのオフを迎えている。シーズン中、小林幹英3軍投手コーチ(50)からは「オフをうまく使わないと。良い素質で(親が)生んでくれたんだから、きちんと使わないともったいないし、そうじゃないと稼げないから」とアドバイスをもらった。
地元登板をモチベーションに
それを受け、今オフの練習場所は「秘密です」と〝雲隠れ宣言〟。課題は制球力といい、「開幕1軍が目標。先発をやりたい気持ちはずっとあるので、このオフ、それに向けてやっている。最低5勝」とキッパリ。来年6月には、エスコンで日本ハムとの交流戦が3試合予定されている。「開幕1軍だとして、最初の1カ月、マジで勝負。あそこで入れ替えが激しい」。2年目を迎える道産子左腕が、地元登板を大きなモチベーションに、広島で腕を磨く。
西武入りする佐藤の激励会でエールを送る広島の滝田