柳川大晟 先発転向へ燃費より馬力重視「140キロ台をなくしたい」 山崎福也との会話にヒント
力でねじ伏せるピッチングが理想
日本ハムの柳川大晟投手(21)が重戦車のようにパワフルな先発投手を目指す。
16日には自動車免許を取得したが、自身の投球は燃費ではなく馬力重視。「やっぱり三振が取りたいので、長いイニングとか先のことは考えずにいきたい。調節して投げるのは合っていないと思うので」と、最速157キロの直球を生かした打者を圧倒するピッチングを理想に掲げる。
競争が激しい先発枠 球速アップが鍵
求めるのは平均球速だ。「(直球で)140キロ台をなくしたいです。平均152キロぐらいになったらいいですね。そうなれば、たぶんファイターズの先発で一番、速くなるので」。加藤貴、山崎、伊藤、金村ら強力なライバルたちとの差別化を意識している。
飛躍の年 深めた自信と見つかった課題
今季は5月に支配下昇格を勝ち取り、1軍デビュー。8セーブを挙げるなど一気に飛躍の年となった一方で、今まで感じたことのない疲労も経験した。
「マジで疲れました。自分はウエートトレーニングをサボっちゃうと、逆にパフォーマンスが落ちるので、ウエートをしっかりやることが一番、大事なんです。でも今シーズンは本当にきつくて、ウエートをやる体力がなかった」と振り返る。
山崎福也の言葉にも背を押され…
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1軍で活動する期間が長くなり、先輩の姿を見てウエートトレーニングの重要性を再認識した。
「今年、(山崎)福也さんに結構、話を聞いてたんですよ。最初、福也さんの方から、『どんなトレーニングしているの?』って聞いてくれたので、僕の方も『福也さんはどんなことしているんですか?』って聞かせてもらって。福也さんは球速で勝負しているタイプでもないし、あんまりがっつりウエートはやってなさそうだなって思っていたんです。しかも、いっつもすぐ(球場から)帰るので(笑)。でも聞いたら、めっちゃやっているらしい。やっぱり、ウエートが全てなんだなと。中6日の調整とかはまだ全然、分からないので、そこはこれから聞いていきたいです」
筋量に比例するスピード
今オフは鎌ケ谷でキャッチボールなどをこなしつつ、ウエートトレーニングを重点的に行っている。
「マッチョになりたいですね(笑)。今、体重は92キロ。94ぐらいにしたいです。筋量は今75キロぐらいなので、筋量で2キロ上げたいです。筋量が1キロ上がったら、球速も1キロぐらい上がるので。今年は維持が精いっぱいだったんですけど、去年は5キロぐらい上がりました」
球種増にもチャレンジ
もちろん、直球オンリーで輝けるほど、プロの先発が甘くないことは理解している。今オフは持ち球のカットボール、フォークに加え、カーブ、変化の少ないカットボール、シュート、金子2軍投手コーチ直伝のチェンジアップを練習中だ。
「絶対にストライクが取れる変化球が今は全然ない。それを増やして、今持っている球を空振り、三振が取れるような球にしていきたいです」と進化を模索している。
金子コーチ直伝のチェンジアップに手応え
秋季キャンプでは、金子コーチからチェンジアップのコツを伝授された。「リリースの瞬間に腕を振り切るんじゃなくて、止める感じ。実際は振るんだけど、止めるイメージと言われて、やってみたらいい感じになりました」
加えて、自身で金子コーチの現役時代の動画をチェック。「奪三振集とか、めちゃめちゃ見ました。今でも見ます。すごすぎますね。でも、チェンジアップには結構、手応えあります」と徐々に自信を深めている。
誓ったリーグ王者への雪辱
高卒3年目で初めて立った1軍のマウンドで、喜びと悔しさを両方、味わった。
「いろんな1軍のバッターと対戦して、いい経験ができたなと思います。それは、めっちゃ来年につながると思う。でも最後、(クライマックスシリーズの)ホークス戦でベストなピッチングができなくて、それが本当に悔しかった。来年はホークス相手にも、しっかり自分のパフォーマンスを出したい」。無限のポテンシャルを秘める若き右腕の成長が、ソフトバンクとの差をひっくり返す原動力になる。