宮西尚生&山崎福也 トークコラボ 言えない話で親密度アップ 不思議な関係性が明らかに
人気と実力を兼ね備えた両左腕による掛け合い
日本ハムの宮西尚生投手(39)と山崎福也投手(32)が道新スポーツデジタルの取材に応じ、トークでコラボした。投手陣の核となる2人が、互いの印象をあらためて告白。リラックスムードで談笑しながらも、先輩、後輩の枠を超えてリスペクトし合う不思議な関係性が明らかになった。ちょっぴりレアな〝ミヤサチ〟コンビの掛け合いをお届けする。(※取材は12月13日のイベント前)
意外にも!?普段から会話は多い
―2人に互いのことを聞きたい
宮西(以下宮)「福也が全部、答えてくれます」
山崎(以下山)「はい!」
―先発とリリーフで役割は違うが、普段どのようにコミュニケーションを取っているか
宮「いきなり来るね、ノーコメントでお願いします(笑)。どんな話ってそんな…言えない話が多いし。なんやろね」
―言えない話とは
宮「いろいろあるじゃないですか? ピーと入れるようなやつ。何を話しているかと言われたら困る」
―話す機会は多いのか
山「結構、ありますよ。ロッカーで」
宮「ロッカーは近いよね。扉を挟んで反対側やから」
やはりアニキ肌の鉄腕 山崎「気持ちが楽になりましたね」
―チーム内で年齢が上の2人。投手陣全体のことを考えて話すこともあるのかと
宮「ない」
山「ははは。ないっす」
―ないはおかしい
宮「ないもん。野球の話…したっけ?」
山「僕が打たれた時にフォローを、何回かしてもらいました。『たまにはあるっしょ』みたいな感じで言ってもらって、気持ちが楽になりましたね」
―FAで日本ハムに移籍してきて、ベテラン宮西投手の印象は。怖そうとか、思わなかったか
山「いやいや(笑)。めちゃめちゃ有名な方じゃないですか。僕よりも年上の選手は(伏見)寅威さん、(中島)卓さん、杉浦さんとかいましたけど、それよりもはるかに上の方で。僕もずっと見ていましたし、どんな感じかな、というのはあったんですけど、普通に接していただきました」
2人が口を揃える「あの話」
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宮「そもそも、こっちはキャンプも2軍で国頭やったし、(春先は)ほぼ、しゃべれなかった。(接点を持ったのは)1軍に上がってきてから。もう、福也が来ました―というブームも過ぎているやん(笑)。だから違和感はあった、初めは。その後は普通にあの話が始まり…」
山「厚沢さん(現オリックス投手コーチ)の話をしましたよね」
宮「こっちも厚さんにお世話になったし、福也もいろんな意味でお世話になっていたから、その話を2人でよくしていた」
―厚沢コーチに教わったことが話題だったのか
宮「まあ、ある意味、そうかな」
山「はははは(笑)」
―何か、悪いことも教わったのか
山「いやいや、いいことだけです(笑)」
唯一の野球談義 テーマはチェンジアップ
―同じ左投手で、共通点は。感覚が似ているとか
宮「野球の話、ホンマにせえへんな。プライベートな話しか、せえへん。基本は俺、野球の話はしないから。ほかの選手とも。ただ、共通点じゃないけど、今年、チェンジアップを覚えたから。福也のチェンジアップは(精度が高い)。どういうふうに投げているんやろなと思って、1回ぐらいしゃべったかな。どういう感覚?みたいな。それ以外、ほとんど野球の話をしない」
―山崎投手は覚えているか
山「…しましたよね。1回、そういう話があったような」
宮「サラッとだったから(笑)。ホンマにそれぐらいしか、野球の話はしない」
山崎→宮西 「本当に無駄がない」
―山崎投手は宮西投手の投球をどう見ているか
山「ピッチング自体はオリックス時代からずっと見ていたので、分かっているんですけど、ファイターズに入ってみて思ったのが、キャッチボールが上手ですよね。無駄がないというか。ゆっくり自分のペースで始めて、無駄なく、スパッと終わる。若いピッチャーだったら、力いっぱい投げて、長い距離も投げて。それを無駄と言ったら良くないかもしれないけれど、シーズンは長いので。キュッと終わった方がいいな、という自分の考えもあって見ていたら、本当に無駄がない感じがしました。そこはうれしかったです、僕自身」
宮「あ、それはうれしい(笑)」
宮西→山崎 「自分のリズム感がある」
―宮西投手は、山崎投手の投球をどう見るか
宮「器用、うまい。不器用そうで器用。つかみどころがないピッチング。かわし方もそうやし。あとはリズムのつくり方。ポンポンポンポン放るタイプやけど、その中でも自分のリズムを持っている。それを崩されたくないピッチャーなんかなと思っていた。自分を持っているよね。練習中も自分のメニューをパパッとやったら、はい、という感じで終わるし。長くこういう世界におる人って、ピッチングだけでなく、自分のリズム感がある。1年間、戦うために。修正方法も分かっていて、うまいな、というのは今年、近くで見て感じた。今年、イニングは初の規定到達でしょ?」
山「そうです」
宮「その中であれだけ対応できるのは、すごいなと感じるよね」
リリーフ陣にとってありがたい先発投手とは…
―リリーフとしては準備しやすい先発投手か
宮「うん、準備しやすい。計算ができる。それはリリーフにとってありがたい。のらりくらりが一番、難しいというか」
―のらりくらりする投手とは
宮「例えば? 名前出すの(笑)。初めて登板する投手とか、若い投手はいきなり崩れ出す(リスクがある)。数多く投げていないから、傾向が分からないというのもある。シーズン途中から福也を見ていて、疲れてきたな、というのもなんとなく把握できるようになってきたし、状態が悪くてもある程度、締められるから。一番(肩を)つくりやすかったかな。でも、そうじゃないとローテーションで回れないからね」
互いに期待 沢村賞&1000試合
―来年、山崎投手にどんな活躍を望むか
宮「沢村賞でしょ!」
山「え、ははは(笑)。頑張ります!」
―当然、タイトルが必要になってくる
宮「総なめ。それだけの力は全然ある」
―山崎投手は宮西投手にどんな活躍をしてもらいたいか
山「来年というか。今季、400ホールドを達成したんですよね。登板数が869試合ですか。やっぱり1000試合登板」
宮「ははは(笑)。来年には無理やから」
山「見たいですよ。1000登板と500ホールド以上を見てみたいです」
―数年後には到達可能な数字
山「まずはそこを見たい。クリアしたら、また違う提案をしたい」
宮「沢村賞ぐらい難易度が高い(笑)。まあ、目指すところは高くないとね、お互い」