元ロッテの土居豪&元愛媛の土居毅が石狩に加入 最速155キロの兄弟右腕が目指す舞台
兄弟で同じチームに所属するのは中学以来
新天地に選んだのは北の大地だった―。北海道フロンティアリーグの石狩レッドフェニックスが、元千葉ロッテマリーンズの土居豪人投手(24)と、弟で元愛媛マンダリンパイレーツの土居毅人投手(22)の加入を発表した。共に最速155キロを誇る快速右腕。石狩にとってもNPB経験選手の加入は初めて。兄弟で同じチームに所属するのは中学生以来となる〝ロケットボーイズ〟が、北海道からNPBへの道を模索していく。
兄・豪人はトミー・ジョン手術後初の打者への投球
兄の豪人が191センチの大きな体格を生かしてダイナミックに投げ込むと、弟の毅人は小気味よいフォームで白球を投じる。昨年ロッテから戦力外通告を受けた土居豪は12月にトミー・ジョン手術を受けた。21日に行われたトライアウトでは、それ以来初めてとなる打者への投球だったが「ストライクが入ったので良かったです」と笑顔を見せた。土居毅も四国アイランドリーグplusの打者との対戦に「僕も久しぶりでしたが、自分の中では悪くない投球でした」とうなずいた。
本格派が石狩で復活を期す。土居豪は術後から1年ほど。かつて150キロ超を誇った直球は、まだ140キロ前後にとどまっているが「シーズンには間に合うので、順調に来ていると思います」と納得の表情を見せた。この1年は地元のガソリンスタンドで朝8時から夕方5時まで働いた後、リハビリトレーニングに時間を費やす毎日。「野球がやりたい気持ちがあったから手術も受けた」と、NPBの舞台へ戻ることを目標に、ひたむきに汗を流してきた。
ロッテ時代の21年は中継ぎ登板14試合
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ロッテ時代は高卒3年目の2021年、中継ぎとして14試合に登板した。同年はオープン戦で6回⅓を無安打無失点の結果を残し、開幕1軍を勝ち取ったが「開幕戦で心折られた」と3月26日のソフトバンク戦(ZOZO)で1回1安打2四球2失点と乱れた。その後、右肘に痛みを感じていたが「1軍というのを経験したので、我慢してしまって、結局ケガにつながった」と唇をかんだ。「やり切った気持ちがあったら野球を辞めていたんですけど、気持ち的にスッキリしなかったので、後悔が残っている」とはい上がる道を選んだ。
弟の毅人は愛媛で35試合登板 今季最速を更新
今季最速をたたき出した土居毅は、愛媛では35試合に登板し、防御率4.71の数字を残した。「今年が大学卒業の年なので、野球自体も(辞めることを)考えていたんですけど、兄が来年からもう1年やりたいと言っていたので、ラスト1年頑張ってみようかな」と石狩に兄弟で飛び込むことを決めた。シーズン終了後からは兄と共に自主トレに励んできた。「投げ方もきれい。ちゃんと自分で考えて体を動かしている感じがする。自分は感覚で投げてきたので、教えてもらいたい」と、さらなる成長を目指す上で得られるものも大きい。
「後悔なくやり遂げたい」「NPBしか見ていない」
突出したものを見せられれば、場所は関係ない。土居豪は「結局どこに行っても飛び抜けて目立ってないと。前の自分を超えられるように。結果的にもチームに貢献できるのでは、と思っているので、自分が進化することが一番。後悔なくやり遂げたい」と力を込めた。土居毅は「僕はNPBしか見ていないので、それに向かって練習するだけ」とキッパリ。北海道に根付くフロンティア精神を培い、兄弟で最高峰の舞台を目指す。
■プロフィール
土居 豪人(どい・ひでと) 2000年4月2日生まれ、愛媛・宇和島市出身。右投げ右打ち。聖カタリナ学園高に進学後、1年夏に松山聖陵高に転校した。2年秋にエースとして愛媛大会優勝、四国大会4強に導き、3年春のセンバツ甲子園に出場。18年のドラフト会議でロッテからドラフト8位指名を受ける。21年には1軍デビューを飾り、14試合に登板したが、23年オフに戦力外通告を受けた。191センチ、94キロ。球種はストレート、カーブ、ツーシーム、カットボール、フォーク。
土居 毅人(どい・たかと) 2002年6月1日生まれ、愛媛・宇和島市出身。右投げ右打ち。宇和島東高で2年夏に甲子園に出場したが、登板機会は訪れなかった。その後、東亜大に進学するも中退し、愛媛マンダリンパイレーツに入団。今季は35試合に登板し、防御率4.71。180センチ、70キロ。球種はストレート、カーブ、スライダー、カットボール、スプリット。