ファイターズ
《ハム番24時》12月28日
もう、言葉が追い付かない。「すごい」としか言えない。一昔前なら「なんも言えねぇ~」ってところか。われらが大谷翔平のことだ。「われらが」と言うのは、日本ハム、北の大地から巣立ったからだ。
流行語大賞こそ逃したが、今年は何度も「50―50」のフレーズを耳にした。だって、前人未到の記録を打ち立てたんだもの。しかもメジャーリーグの舞台で。50本塁打&50盗塁の「50―50」を54ホーマー&59盗塁で軽々とクリアした。
一気に数を増やしたのが盗塁。これまではエンゼルス時代の2021年にマークした「26」がキャリアハイだった。日本ハム時代は5年間通算でも「13」。右肘手術の影響で打者に専念したのが一因なのは明白だろう。ただ、その走る姿のしなやかなこと。まだまだ見る者を魅了する引き出しに伸びしろを感じる。
大きなストライドで快走する姿を見るにつけ、何度も思い出した。あれは2017年のこと。彼にとってNPBラストイヤー。私にとっても日本ハム担当最後の年だった。
シーズン開幕を直前に控え、栗山監督が大谷に対し、全力疾走の禁止を厳命した。右足首を痛めていたから当然なのだが、指揮官はこうも言った。「俺だって苦しい」。栗山監督は、常に全力を尽くすことの大切さを心に留めていた。そして誰よりも、彼の走塁能力の高さを評価していた。栗山さんなら、59盗塁に対しても言うはずだ。「もっとできる」と。
来季は二刀流の復活に期待がかかる。ワールドシリーズ連覇も。まだまだ見る者を「超きもちいぃ」状態にしてくれるに違いない。