【新春特別対談】山崎福也&鶴岡慎也~後編 念願かなったダルビッシュとの初対面 優しい言葉に感激
縁深い〝バッテリー〟によるスペシャル対談は後編に突入!
日本ハムの山崎福也投手(32)と道新スポーツデジタル評論家の鶴岡慎也さん(43)による新春特別対談は後編に突入だ。2人にとって忘れられない2008年の開幕戦。憧れるダルビッシュ有投手(38、米大リーグ・パドレス)についてや、チームメートの印象も。後編も、あれやこれやとたっぷり語り尽くした。
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ダルビッシュが完封した08年のオープニングゲーム
鶴岡(以下鶴)「話は変わるけど、2008年に脳腫瘍の大変な手術をしている。手術前日に札幌ドームでファイターズの開幕戦を観戦した。今でも覚えている?」
山崎(以下山)「見ました。覚えています。ダルビッシュさんが完封しましたね」
鶴「実はその試合、僕のキャリアの中で初めての開幕スタメンマスクで。1―0。ヒルマン監督から梨田監督に代わったばかり。あの時、僕は2安打して決勝のホームインをしている。あとで大手術に臨んだと聞いて、運命めいたものを感じた。どんな気持ちで試合を見ていたの?」
山「シンプルに野球少年だったので、すごいなと思いました。その時、札幌ドームに初めて行ったので、うわーという圧倒された感じもありました。稲葉ジャンプにもびっくりしました」
翌日に控えていた大手術
鶴「次の日に手術を控えていたんだよね」
山「複雑な気持ちではありましたけど、でも野球の試合に対してはすごく集中して見られましたね」
鶴「自分がここでプレーする姿を思い浮かべながら」
山「その時はそこまで思っていなかったです(笑)。ただただ、すごいなと」
憧れの存在から、かけられた一言
鶴「そして、ファイターズに来ることになった」
山「小さい頃から父親の影響でファイターズを見ていましたし、縁を感じました」
鶴「そういえば、昨年の秋季キャンプの時にダルビッシュがエスコンに来ていたよね。あいさつは」
山「お会いすることができました! 初めてお話できて、ダルビッシュさんも僕のことを知ってくれていました。『開幕戦を見にきたんだよね、病気になった時に』と言ってくれて。感動しました」
鶴「彼、ものすごく情報を調べているので。逆に僕は会えなかったですから(笑)。アメリカでは会ったのに」
山「知ってくれていたのは本当にビックリしました。で『俺、ナイスピッチングしたよね。俺、ナイス!』と言っていました(笑)」
まだまだ進化を続けるレジェンド右腕
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鶴「体もめっちゃ、デカかったでしょ」
山「デカかったです、ビックリしました」
鶴「今はちょっとシュッとなったけど、昔はさらにデカかった。メジャーに行く前の年に、デカいトートバッグを持っていて。何が入っているの? と聞いたら、プロテインが山ほど入っていて。何種類入っているんだよと。それぐらい管理していて。それでないと、あんなパワーは出ない。すごかった。やっぱりピッチングはパワーだと思った。彼、スーパーマンみたいだけど、38歳だからね。25歳の時のパフォーマンスより今のパフォーマンスの方が絶対にいいから。変化球の曲がりとか」
山「え、今の方がいいんですか」
鶴「回復力とか、そういう部分は落ちていると思いますけど、変化球の曲がり方とか、今の方がいい。ツーシームとかエグい」
山「やっぱり成長しているんですね」
鶴「考えてやっている。それが一番だよね。漠然とやっていない」
山「さすがですね」
目指すは40歳で現役
鶴「メシを食うのもそうだし、トレーニングもそう。タイプは違うけど、彼みたいに息の長い選手になってください」
山「そうですね、まだまだ野球をやりたいので」
鶴「今年(2024年)32歳でしょ。まだまだできる。山本昌さんと一緒に仕事をする機会があるけど、やっぱりデカい、めっちゃデカい」
山「僕も40歳過ぎてもやりたいです。投げられるなら」
優勝への渇望 立ちはだかるソフトバンク
鶴「僕は40歳まで。左ピッチャーとキャッチャーじゃないかな。長くやれるなら。和田さん(元ソフトバンク)もそうだし、お手本、モデルケースはたくさんある。真面目に野球に向き合っているので、全然いける。あとは優勝したいよね。優勝を経験しているピッチャーだから。2位と優勝には大きな差がある。ファイターズは2位で喜んでいた部分があった」
山「そこはちょっと悔しいですよね」
鶴「優勝したら、優勝旅行もあるし、パレードもできるし、みんなが潤う。あの喜びを味わったら物足りないと思う、福也は。今の若い選手は満足するだろうけど。現実を見たら、15ゲーム差ぐらい離れている。それを埋めるのはなかなか困難なこと」
山「本当にそう思います。だからチームとしては日本一、そこだけを目指したい。個人としては勝ち星を増やし、イニングも20、30ほど増やしたいです」
左腕がチームに与えた好影響
鶴「移籍1年目は手探りな面もあったと思うけど、先発陣、チームメートとの仲は深まった?」
山「深まりましたし、いろんな選手の性格もよく分かってきたので、いい1年でしたね。加藤(貴)はロッカーが横ですし、同級生でもあるので、エスコンに来たら普通に話す。会話はたくさんありました。金村はおっちょこちょいな部分があるんですけど、かわいらしい部分も見られました。(田中)正義は、大学時代に代表とかで一緒ですし、移籍してきている選手は同じ立場で話しやすさもありました。イケちゃん(池田)もそうですよね、移籍していますし、正義と話している時と感覚が似ていましたね」
鶴「加藤にとっても、良かったよね。福也が来て。ちょっと一皮むけないところがあったけど、あいつが一番、刺激をもらったと思う。左ピッチャーで年齢も一緒だし。福也が来たおかげで伸びた選手がたくさんいる」
山「もっといい影響を与えられるように頑張ります」
鶴「田宮もね、こういう左ピッチャーをちゃんとリードできて一人前のキャッチャーになっていく。まだまだです。本人も感じることはあると思うけど、(伏見)寅威が座った時の福也と、見ていて違う。(バッテリーを組むことで)田宮のためになる。ほかのキャッチャーも含めて、成長させてあげてください」
山「もっと、そういうふうにできるように頑張ります」
日本ハムとオリックスの共通点
鶴「ファイターズは伝統というか、自由にやらせてあげるから、そのかわり、自分で責任を取りなさいよと。そういうチームの雰囲気。ホークスはチームとしてこれをやりなさいと。ちゃんとやっている選手を使うよ、という方針だから。ファイターズの方がより個人に責任があるかなと。オリックスもそんな感じじゃないのかな?」
山「そうですね。(日本ハムでも指導していた)中嶋監督、福良GMだったので」
F党の熱量を実感
鶴「あと、北海道での生活はどうだった?」
山「街中に出たら結構、バレるというか(笑)。そこはビックリしました。熱量が違いますね」
鶴「オリックスの福也と、ファイターズの福也はちょっと違う。大きいし目立つし」
山「そこの違いは少し感じました。オリックスの時もちょこちょこ、ありましたけど…」
魅力たっぷりの北海道 運転には注意を!
鶴「大阪は阪神があるので(笑)。北海道生活でアドバイスをするなら、車の運転には気を付けた方がいい。一冬越えたら慣れる。滑る、滑らない路面も分かってくる。あと何だろう…。オフに1カ所ずつ決めて(各地に)行けば。函館とかめっちゃ好き。FAの時は函館山に登って決めた」
山「そういうことがあるんですね」
鶴「道東とか行く機会はないかもしれないけど、人生観が変わるくらいの大自然がある。飛行機で行った方がいい。車なら5時間か、冬ならもっとかかるので(笑)」
山「うわー。関西―東京ぐらいですかね。でも、行ってみたいです」
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