阪口楽 同学年の活躍に本音「死ぬほど悔しかった」 来季こそプロ初本塁打だ!
室内練習場で汗を流した阪口=撮影・近藤裕介
今季躍動の投手陣から刺激 「来年は僕がいきます」
高卒3年目の日本ハム・阪口楽内野手(21)が、今年ブレークした同学年投手たちにライバル心を燃やしている。
「そろそろ03(2003年度生まれ)世代、野手が(1軍の試合に)出ないとね。ピッチャーしか出ていないので。来年は、僕がいきます。03世代の野手、1人目のブレークは僕がいきます!」と力強く宣言した。
福島に柳川に達、畔柳、松浦と続々アピール
今季は〝03世代〟の投手たちが躍動した。
開幕前に支配下昇格を果たした福島が、12試合に先発し2勝を挙げれば、同じく5月に2桁背番号を勝ち取った柳川は、抑えを経験し8セーブをマーク。ドラ1の達も10月に先発でプロ初勝利を挙げ、畔柳、松浦はそれぞれ5試合に登板した。
〝03世代〟の野手は出番なし
一方で、野手組は1人も1軍の舞台に立てなかった。
阪口は同期の投手たちと差をつけられた1年を振り返り「ポジションは違いますけど、死ぬほど悔しかったですよ。すごいですよね、ピッチャー陣は。悔しいというか、いいなーって。『(自分は)何してんやろ…』みたいな感じでした」と本音をこぼした。
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悔しい気持ちを力に変えて
もちろん、同学年が投げる試合は見る。心から応援し、活躍すればうれしい。しかし、複雑な感情がこみ上げてくる。
「そりゃ、応援はしますよ。けど、もどかしいというか、悔しいというか」。心のモヤモヤは、結果で晴らすしかない。「その悔しい気持ちがなかったら(プロ野球選手として)終わりだと思う。いいなーと思いながら、でもやることをやろうと。目先のことには影響されないように、と自分に言い聞かせてやっています」。他人と比べ、落ち込みそうになる気持ちを必死に抑え込んで、自分自身に焦点を当て続けてきた。
着実に成長 2軍で101試合に出場し11本塁打
今季、2軍では101試合に出場し、キャリアハイを大きく更新する11本塁打をマークした。
「長打力が求められていると思うので、そこの本数が増えたのは良かったかなと思います」と一定の手応えを感じている。
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稲葉2軍監督のアドバイスを支えに
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本塁打は増えたが、打率は2割に届かなかった。シーズン中、悩める若武者の支えになったのは、稲葉2軍監督の存在だ。
「1年間ずっと見てもらって、毎日毎日アドバイスをいただいていました。困ったことがあったら質問して、ということを繰り返していました。どんなことを聞いてもすぐに答えてくれるので、それが今年1年大きかったです」と同じ左打者の大先輩に感謝した。
将来を見据えたトレーニング 肉体強化も進行中
オフは筋力アップと、課題のミート力向上に取り組んでいる。
「手に頼ったスイングをしたりしていたので、スイング軌道を安定させようとか、そういう感じのことに取り組んでいます。ウエートトレーニングも、かなり順調にできています。体も大きくなりました。このオフで、除脂肪体重80キロを目指そうと言われていて、あと1.5キロぐらいです。入団した時は72、3キロだったので、筋量で7、8キロは増えました。来年、再来年にいっぱいホームランを打てるように、体づくりをやる。僕は目先の結果にとらわれやすいので、そうではなくて、来年、再来年につなげられるようにと思ってやっています。あとは、筋量だけじゃなく成績を上げていくことです。ゴリゴリに体をつくって、スイングスピード、打球速度を上げていって、確実性を高めたい」と鼻息荒く先を見据えた。
恒例となっている細川との合同自主トレ
年末年始は例年通り、地元の京都で1学年先輩のチームメート・細川と自主トレを行う予定だ。
「(細川に)1年目から面倒を見ていただいている。ストイックな人ですし、勉強になることがたくさんあります」。毎年、グラウンドまでは実家から電車で通っていたが、今年は12月中に自動車の運転免許を取得予定。「今までは電車で大変でした。車で行けるのはだいぶ大きいです」と屈託のない笑顔を見せた。
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2025年シーズンは勝負の年!
来年、自身に課すノルマがある。
「初ホームランは、絶対に打ちたいです」。福島、柳川らの活躍に負けてはいられない。「来年、高卒4年目は、もう甘えられる年じゃない。このオフにレベルアップして、もう1軍に行かないと。そういう覚悟を持って、やらないと」。もう誰かの活躍を見ているだけの時間は終わった。自慢の長打力を、鎌ケ谷ではなくエスコンフィールドで見せる時だ。